ECBカザークス氏、「現在の基本シナリオは段階的利下げ」
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、カザークス・ラトビア中銀総裁は12日、政策金利を漸進的に引き下げていくべきだとの見解を示した。
ラトビアの公共放送とのインタビューで「現在の基本シナリオで、かつ私見として最も適切なものは段階的な利下げを続けることだ」とし、「金利の方向性は下向きだが、当然ながら景況や経済で何が起こるか次第だ」と語った。
既にECBは6月以降、政策金利の中銀預金金利を3回引き下げており、年内最後となる12月の政策決定会合でも追加利下げに動くと予想されている。この日はECB政策委員会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁も、来月は追加利下げになる可能性が高そうだとの見解を示していた。
一方、先週の米大統領選の結果がユーロ圏経済の先行きに暗い影を落としている。トランプ前大統領のホワイトハウス奪還で米国が保護主義に転じる可能性がある。
カザークス氏は「われわれの経済は輸出と外国貿易を志向しており、関税は欧州にとって良いものではない」とした上で、「関税によってインフレがやや加速し、物価が上昇する恐れがある。売ることが難しくなるため景気は下振れするかもしれない」と語った。
ただ実際に何が起こるかはまだ不透明で、貿易戦争となっても欧州はそのエスカレートを回避する必要があると強調した。
原題:ECB’s Kazaks Says Base Scenario Is Lowering Rates Step by Step(抜粋)
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Aaron Eglitis