センバツ2023 ノック、ユニークに 投手陣支える守備力を 彦根総合 /滋賀
◇バーベル飛び越え/わざとエラー… センバツ出場が決定した彦根総合は29日も積雪でグラウンドが使えず、アリーナでの守備練習で汗を流したが、ユニークなノックで守備力の向上を図っている。 チームは甲子園に向け、守備の強化を最大の課題として、冬練習では特にノックに力を入れている。昨夏からの練習で主にノックを打ち続ける北野力コーチ(29)も工夫を凝らす。この日のノックでは、選手の前にバーベルを置いた。守備は相手が打球を放った瞬間に「1歩目」を踏み出せるかが捕球できるか否かの分かれ目になる。打った瞬間に選手たちにバーベルを飛び越えさせることで、ボールへの1歩目を意識させる。北野コーチが社会人野球時代にしていた練習法で、冬練習から取り入れた。 他にも内野手は打球のコースの右方向から入って一塁方向に送球することが多いため、打球への理想的なコースにコーンを置き、コーンに沿ってボールに向かっていって捕球するなど種類は豊富だ。 北野コーチは「冬場は技術が一番伸びる。いろいろな種類のノックで、選手たちになぜボールが捕れなかったのかを考えさせ、改善するようにしている」と話す。 宮崎裕也監督(61)は日ごろから選手に「好投手がそろっているので足を引っ張らない守備力が必要」と諭す。試合形式のノックでも「ノックでは全て捕っているのでは試合につながらない。わざとエラーをすることで、次にどのようなプレーを選択するかという状況判断力を身につけよう」と選手たちに求める。春に向けた守備力強化の道のりはまだ始まったばかりだ。【飯塚りりん】