「医療費がタダだから湿布をたくさんもらっている」と近所のシンママが言っていました。働いてはいるようですが、それでも医療費は無料なのですか?
東京都福祉局「 ひとり親家庭等医療費助成制度(マル親)」より筆者作成 図表1のとおり、住民税非課税世帯の場合は、窓口での自己負担なしで医療を受けられます。東京都の場合、住民税非課税世帯となる個人住民税が非課税になる要件は次のとおりです。 ・生活保護法による生活扶助を受けている方 ・障害者・未成年者・寡婦またはひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方 ・前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の方 よって、働いているシングルマザー(ひとり親)の場合、前年の給与所得が204万4000円未満の場合は住民税非課税世帯となり、医療費が無料となります。
助成の対象になる医療費の種類。湿布は何枚でも無料になる?
ひとり親家庭等医療費助成制度で助成の対象になる医療費は、医療保険の対象となる医療費、薬剤費等となっています。したがって、健康診断や予防接種、薬の容器代等、医療保険の対象にならないものは対象外です。 医療保険の対象となる病院で処方された湿布も助成の対象ですが、枚数には制限があるため注意しておきましょう。 ■湿布薬の上限枚数は1回の処方につき63枚まで 2022年の調剤報酬の見直しにより、湿布薬の上限枚数は1回の処方につき63枚までとなりました。上限があるとはいえ、1回あたり63枚までが助成の対象となります。つまり、シングルマザーが湿布をたくさんタダでもらえると言うのは誤りではないと言えるでしょう。 ただし、余った湿布をフリマサイト等で転売すると法に触れてしまう可能性があります。あくまでも、自身で使い切れる分だけを処方してもらい、湿布を余らせないようにするよう心がけましょう。
シンママはひとり親家庭等医療費助成制度で医療費の負担を軽減できる
シングルマザーは自治体のひとり親家庭等医療費助成制度を利用することで、医療費の負担を軽減できます。所得が一定以下で住民税非課税世帯の場合、医療費が全額免除されるため、ひとり親世帯には非常に助かる制度です。 医療保険の対象となる処方の場合、湿布も助成の対象となりますが、1回あたり63枚が上限となっている点には注意しておきましょう。 また、所得の上限や細かな条件については自治体によって異なる場合があるため、お住まいの自治体で確認が必要です。 出典 東京都福祉局 ひとり親家庭等医療費助成制度(マル親) 東京都主税局 個人住民税 6 個人住民税の非課税 厚生労働省 保険診療の理解のために 【 医 科 】( 令 和 5 年 度 )7 投薬・注射 (1) 実施方針について ⑥ 東京都北区 ひとり親家庭等医療費助成制度(所得限度額) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部