「医療費がタダだから湿布をたくさんもらっている」と近所のシンママが言っていました。働いてはいるようですが、それでも医療費は無料なのですか?
シングルマザー(ひとり親)は条件を満たせば、医療費の助成制度で医療費が免除されるケースがあります。健康保険の対象となる病院で処方された場合、湿布も助成の対象となるため、近所のシンママが「医療費がタダだから湿布をたくさんもらっている」と言っているのも間違いではないでしょう。 ただし、働いているシングルマザーは、収入によっては医療費が全額免除されない場合があるため注意が必要です。本記事では、東京都の制度を例に、ひとり親家庭等医療費助成制度の仕組みや条件を解説します。
ひとり親家庭等医療費助成制度でシンママの医療費がタダになる条件を解説
シングルマザー(ひとり親)は「ひとり親家庭等医療費助成制度」で、医療費の助成を受けられます。ひとり親家庭等医療費助成制度は自治体が行う医療費の助成制度で、自治体によって若干助成の条件等に違いがある場合があります。 本項では、東京都を例に、ひとり親家庭等医療費助成制度の助成対象になる方の条件と、医療費の全額免除の条件を解説します。 ■助成の対象になる方の条件 東京都のひとり親家庭等医療費助成制度の対象となるのは次の条件に当てはまる方です。 ・児童を監護しているひとり親家庭等の母または父 ・両親がいない児童などを養育している養育者 ・ひとり親家庭等の児童または養育者に養育されている児童で、18歳に達した日の属する年度の末日(障害がある場合は20歳未満)までの方 よって、シングルマザーと18歳未満の子は助成の対象となります。ただし、上記に当てはまる方の中でも次の場合は助成の対象外となるため注意しておきましょう。 ・ひとり親家庭等の所得が限度額以上の方 ・生活保護を受けている方 ・施設等に措置により入所している方 所得の限度額は自治体によって異なりますが、東京都北区では扶養親族数が1人の場合は230万円が上限となり、扶養親族が1名増えるごとに38万円が上限に加算されます。限度額は、自治体や扶養親族の人数によって異なるため、お住まいの自治体で確認するようにしましょう。 ■医療費が無料になる条件 ひとり親家庭等医療費助成制度の医療費の負担割合は、住民税課税世帯か住民税非課税世帯かによって異なります。 【図表1】