Amazon で横行する「商品ページ乗っ取り」。サードパーティー出品者は諦めムード
手頃な価格のスタンドミキサーを探していたAmazonの買い物客は、アイレッサム(Ailessom)という会社の「3in1、出品者はクソ野郎(3-IN-1 The Seller is a Motherfucker)」というタイトルの商品ページを目にする羽目になった。 このページはすぐにオンライン、特にLinkedInのeコマース領域の一角で共有された。多くのソーシャルメディア投稿が問題のリンクを嘲笑したが、Amazonがこのリンクを削除するのには最終的に12時間以上を要した。また3月末時点で、この商品とその下品な説明はまだGoogleに索引されたままだ。 Amazonコミュニティからの反応は、驚きや落胆ではなく主に諦めだった。実際のところ、出品者が説明しているように、ページの乗っ取りはごく簡単で、よくあることであり、悪意あるバックエンドのeコマースサービスにおいては独自の小さな産業となっている。
長年の問題である商品乗っ取り
リバーベッドコンサルティング(Riverbed Consulting)の共同創設者であるレスリー・ヘンゼル氏は、「これは10年来の問題である」と話す。 同氏もスタンドミキサーについて投稿し、「ベンダー側の強力無比な編集アクセス権限をいつになったら悪い奴らから取り上げてくれるのか?」とAmazonに問いかけている。 何が起きたのかを正確に知る方法はない。米モダンリテールはAmazonに問い合わせ、なぜこのような問題が起きたのか、またこの問題を解決するためにAmazonは何か対策を取っているのかを明確にするよう説明を求めた。Amazonの広報担当者は「これらの件については調査中であり、必要に応じて追加措置を行う」とメールの声明に記した。 このアイレッサムというブランドは、サードパーティーの出品者らしい。Amazonに出店しており、同プラットフォームのブランドレジストリ(Brand Registry)に登録されていることを意味する。このブランドはスタンドミキサーとムービープロジェクターの2種類の商品を販売しているようだ。アクティブなD2Cサイトはない(ailessom.comドメインは確保されている)が、ウォルマート(Walmart)、ウェイフェア(Wayfair)、さらにシーイン(Shein)などほかのマーケットプレイスでも販売している。 この問題は要するに、どんなマーチャントでもあらゆる商品を販売できるという事実に行き着く。そしてそのマーチャントがAmazonから十分に高く評価されている場合、自分たちがブランド所有者でもない商品にも変更を加えられる可能性がある。