追い風<きょうの一枚>フォトグラファー今井暖
◇メジャー最終戦◇全英オープン 2日目(19日)◇ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)◇7385 yd(パー71) 【画像】松山英樹は予選落ち覚悟→週末滑り込み 4月の静岡・御殿場で開催されたDPワールドツアーに参戦した川村昌弘。その試合を撮影した僕は、このコラムで彼のことを書かせてもらった。自分の中ではひと区切りのつもりだったが、彼の活躍は僕の想像を上回り、ここロイヤルトゥルーンまでたどり着いた。 初日を終え、上位進出も狙える位置で2日目をスタート。ティオフしたのは午後4時過ぎの最終組。スコットランド特有の長く、晴れ渡った午後が始まった。強風が吹くなか全体のスコアがどんどん落ちていく。つまり、スコアを伸ばさずとも耐え続ければ、週末の決勝に進める状況だ。17ホールを終え決勝に進むにはあと1打足りない。18番のティショットをフェアウェイに置いた彼がカメラに向かって歩いてくる。背筋を伸ばし顔をしっかりと上げて、この状況を楽しんでいるようにすら見えた。 海外で彼のプレーを見るのは初めてだが、欧州を主戦場にする彼にとってここはある意味ホームだ。例の特徴あるスイングでスコットランドの強風にボールをぶつけていく。メジャーだからといってよそ行きのプレーをしているわけではない。いつもの彼らしいゴルフでくらいついていく。 結果は惜しくも予選敗退となった。自力でつかんだビッグチャンスを生かすことはできなかった。しかし、一日中悩まされた強風を今度は追い風にまとって進んでいく。7月のロイヤルトゥルーンは彼にとってまだ旅の途中でしかない。