逆転優勝に導いた最終18番の第2打は“ミスショット”だった!? 石川遼が節目の通算20勝に到達 賞金王のチャンスも
カギを握った17番のパーパット
◆国内男子プロゴルフ 三井住友VISA太平洋マスターズ 11月7~10日 太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県) 7262ヤード・パー70 【動画】実はミスショット? 最終18番で2オンに成功した石川遼のセカンド→ウイニングパット&勝利のウオーターシャワー これが実際の映像です
16番ホールを終了した時点で通算10アンダーの2位タイにつけていた石川遼。首位の谷原秀人とは1打差だけに、逆転優勝の可能性は十分残していた。 ところが、17番パー3のティーショットをピン手前約5メートルにつけた後だった。「バーディーパットを打つ前にスコアボードを見たら、谷原さんが18番でボギーを打ったことを知りました」。 なんとこの時点で首位タイに。残り2ホールでスコアを1つ縮めたら優勝できる状況に変わったのだ。
普通なら17番をパー、18番パー5でバーディーと考えるが、目の前のバーディーチャンスに思わず気持ちが揺らいだ。 「この日はパットの調子がよかったし、入るんじゃないかという思いがあったんでしょうね」 下りのラインだけに、本来ならタッチを合わせにいくところだが、インパクトが強くなり、カップを1メートル以上オーバーする。「何をやってるんだ」と後悔したものの、気持ちを切り替え、大事なパーパットをなんとか沈めることができた。ある意味、このパーパットが勝負を決めた1打だったかもしれない。 18番でのティーショットでは3番ウッドを選択した石川。予定通りフェアウェイをキープし、2打目を迎えた。 ピンまでは230ヤード。グリーン手前から右サイドには池が広がっている。過去にも何度かこの池にボールを入れた経験があるだけに、この池だけは絶対に避けたいと思っていた。 3番ユーティリティーで放たれたボールはグリーンに向かってほぼ真っすぐに飛んでいき、ピン左手前約8メートルにナイスオン。狙いどおり2オンに成功した。 2パットに収めれば優勝となる。「富士山を背にしていたので、転がりが速いことは十分、分かっていました」。 あえて30センチショートさせるつもりでストロークしたボールは、カップを20センチほどオーバーしたところで止まる。石川が想像した以上のスピードで転がったが、保険をかけていたこと、17番でファーストパットをオーバーした経験が奏功した。 ウイニングパットを沈め、両手を挙げて喜びを表現した石川。大会最多となる4勝目を挙げ、コースとの相性のよさを改めてアピールした。