野菜10品目 栽培面積が過去最低に 高齢化、労力不足響く
サトイモは最盛期の3割に
国が安定供給を目指す指定野菜の2023年産の作付面積が、ジャガイモ、キャベツ、タマネギ、レタスを除く10品目で、統計開始以降、最小となったことが農水省の調べで分かった。生産者の高齢化や労働力不足が影響した。タマネギ以外はいずれも前年から面積が減少し、サトイモは統計開始以降、初めて1万ヘクタールを割った。 【その他27品目一覧】カボチャやソラマメ大幅減 過去の最大面積からの減少率を見ると、サトイモが71%(23年は9580ヘクタール)、ナスが69%(同7730ヘクタール)、キュウリが66%(同9450ヘクタール)、ハクサイが65%(同1万5600ヘクタール)、ダイコンが64%(同2万7300ヘクタール)、ジャガイモが52%(同7万1200ヘクタール)で、根菜類を中心に6品目が最大面積の半分を下回った。 10アール当たり収量は、ジャガイモが過去最高の3340キロを記録した。作付面積の7割を占める北海道で、日照・降水量が例年並みとなり、肥大期などに目立った被害がなかったことが要因。ナスも3740キロで過去最高の10アール当たり収量だった。
フキ、ソラマメ、グリーンピースが減少
同省は、指定野菜に準ずる特定野菜35品目のうち、サツマイモや地域特産野菜、林産物を除く27品目の作付面積もまとめた。 ブロッコリーと小松菜以外は、減少するか、前年産並みだった。前年からの減少率はフキが7%と最大で、ソラマメとグリーンピースが6%と続く。いずれも生産者の高齢化による作付け中止や規模縮小が見られた。 消費量や出荷量の増加を受け、同省は26年度からブロッコリーを指定野菜に追加する。ブロッコリーは05年以降、前年以上の作付面積が続いている。23年産は1万7300ヘクタールで、10年間で23%(3200ヘクタール)増えた。 (岸康佑)
日本農業新聞