元米国五輪代表アシュリー・ワグナーの性的暴行被害告白が全米に波紋「フィギュアスケート界を揺るがす」
フィギュアスケートのソチ五輪の元米国代表で団体の銅メダルを獲得、2016年の世界選手権では準優勝しているアシュリー・ワグナー(28)が1月に自ら命を絶ったペアの全米選手権優勝経験のあるジョン・コフリン氏から性的暴行被害を受けていたことを「USAトゥデイ」で明らかにした。2008年6月に米コロラド州で行われた代表合宿でのパーティー後に、当時17歳だったワグナーのベッドにコフリンが入ってきて、体を触られ、キスをされるなどの性的暴行を受けたという。ワグナーは、同メディアで「襲われて涙がでてきた」などと、当時の心境を告白した。コフリン氏は、元パートナーにも性的暴行を行ったことを告発されるなど、数々の疑惑を突きつけられて自殺している。 このワグナーの衝撃告白は、全米に大きな波紋を広げた。他メディアもこの記事をフォローして関連記事を発信した。 ニューヨーク・タイムズ紙は「ワグナーの性的暴行の報告がフィギュアスケート界を揺るがす」との見出しを取り、「オリンピック選手ワグナーが17歳の時に年上の男性フィギュアスケート選手から性的暴行を受けたと語り、このスポーツ界にまた残酷な光を当てた。このスポーツは、美しさと優雅さを備えているとともに極限のプレッシャーにあり、異なる年代のアスリートたちが、しばしば両親や競技関係者の監視下にほとんどない状態に置かれることがある」と伝えた。 「ワグナーの申し立ては1月に自殺したコフリン氏に対する2つ目の公的な暴行告発となった。これらの告発は、若い女性たちが全員攻撃をされやすい立場にあるというフィギュアスケート界の懸念をさらに増大させることになった」と指摘。 元フィギュアのコーチで58歳のデビー・バーナー氏の「年上の選手たちにとっては(合宿などは)ダンスパーティーと同じようなものだった」というコメントを紹介した。 また1999年の選手時代にコーチから性的被害を受けていたことを告発した著名コーチであるクレイグ・マウリツィ氏の「スケート界の多くの人が『永遠に16歳』でいるように見られている」という談話も紹介。 マウリツィ氏は、性的暴行を告発され自殺したコフリンの友人でもあり、夫人はコフリンの代理人を務めていたが、「問題に対して進み出る決断をしたワグナーを歓迎している」と語り、「この文化は、修正される必要がある。関係者たちはオーバーエージとアンダーエージの間で太い線を引く必要がある。境界線は以前には存在していなかったのだ」と意見した。