島根原発2号機が再稼働 福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉 中国電力、原子炉を起動
中国電力は7日午後3時、島根原発2号機(松江市、出力82万キロワット)の原子炉を起動し、再稼働した。東京電力福島第1原発事故の翌年の2012年1月下旬に定期検査のために停止して以来、稼働は12年10カ月ぶり。福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)で、福島の事故後に再稼働したBWRは、東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機に続き全国2基目となった。 【写真・地図・年表】島根原発と松江市街地を捉えた空撮や2号機を巡る主な動きなど 核分裂反応を抑える制御棒を、炉心から引き抜く作業を始めた。約2時間後、核分裂が安定的に続く臨界の状態に達する見通しだ。 今後は設備を点検するため1週間ほど原子炉を停止した後、今月下旬に発電と送電の調整運転を始める予定。中電による検査と原子力規制委員会の確認を経て、来年1月上旬の営業運転開始を目指す。 再稼働を巡り、中電は13年12月に国の新規制基準に基づく審査を規制委に申請した。地震や津波による重大事故を防ぐ安全対策工事を進め、審査の過程で追加工事が生じて稼働停止は長期化した。工事計画や保安規定を含め、全ての審査は今年5月に終了。工事は10月下旬に完了した。 中電は1974年3月に島根1号機(出力46万キロワット)、89年2月に2号機を稼働した。2015年に1号機の廃炉を決定。建設中の3号機(同137万3千キロワット)を30年度までに稼働する考えだ。 島根原発は全国で唯一、県庁所在地にあり、30キロ圏内に約45万人が暮らす。重大事故を想定した避難計画の実効性などに課題がある。
中国新聞社