銀シャリ・橋本直さんに「食」のこだわりと店選びのポイントを聞いてみた!「神ツッコミ」満載の初エッセイ本も売れ行き好調
ぼんやりしたい容量を空けないと入ってこない
――食に対するこだわりだけでなく、読書もお好きですし、テレビも地上波は全番組を録画してたくさんチェックしていらっしゃいます。たくさんのことをして、さらにツッコミも入れて、頭の中はいつもフル回転ではないでしょうか。ぼんやり過ごすことはありますか。 ぼんやりしたいですね。ぼんやりしないと入ってこないんでね。仕事が詰まりすぎて忙しいときは、ゾーンに入るので、夜中までして仕事して寝ずにまた仕事に行って、脳がグルグル回って調子がいいときもあるんすけど、どこかでガソリンが切れたみたいになるので、やっぱり容量を空けないと次のものが入ってこない。 「録画した番組、これとこれとこれ見た。新刊でこれ読みたい。ネットフリックスはこれとこれ、めっちゃ楽しいやん」みたいなポジティブなときはいいんですけど、「これ見なあかん、一応チェックしとかなあかん」というときは調子が悪いときですね。年齢的にも時間はそんなにないので、「見なきゃあかん」という義務を感じたら、一回その義務感をちょっと置いていいかなと思う。 ――楽しみが義務感に変わることってありますよね。 自分がご機嫌であることが最強なんでね。世間が「いい」と言ってるからといって、自分がときめかないものを見るのは一番無駄かもしれません。全12話のドラマで「5話まで我慢して見てみて、そのあとおもしろくなるから」とかおすすめしてくる人いません? けど、5話まで我慢せなあかんドラマってよくないんちゃうか(笑)とか思ったりね。 ――『細かいところが気になりすぎて』には、自分との対話にじっくり取り組むために熱海に一人旅に行ったときのエピソードも綴られています。そのときにノートを持って行ったと書かれていますが、頭を整理するために手書きのノートを常に持ち歩いているのでしょうか。ネタも書いたりします? いや、あれは改めて自分と向き合うために、思いついたものを走り書きでワーッと書くつもりでノートとペンがいいかなと思ったんです。ノートにセリフを全部書くみたいなネタ帳はだいぶ前にやめました。今は携帯のメモ帳にテーマとなる単語を3個くらいメモって、会話をこういうルートで展開したいかなと何となく決めて、鰻と一緒にヨーイドンでしゃべってみる。一発目のふんわりとしたやつをレコーダーにとることはあります。一発目に出たのがほんまのリアクションだと思うんで。この方法にしてから楽しくなりましたね。