『駐車禁止の張り紙を貼られても慌てて警察署へ出頭しない方がいい』は本当か?【行政書士ライダーが徹底解説】
出頭しない方がいい理由
これまでお話ししたように、放置違反金は運転者ではなく使用者に課される金銭的制裁。でもその場所まで移動しそこに放置した運転者が必ずいるはずです(筆者の例は運転前でしたが)。ところが、使用者として放置違反金を納付すると運転者の責任は問われなくて済むのです。 この使用者責任は金銭的制裁のみで運転者責任ではありませんから違反点数は付与されません。 先ほど、「出頭してもしなくてもよい」と言いましたが、そこに放置した運転者として出頭することもできます。当然ですが出頭すると事情を聞かれたうえで違反運転者として青切符を切られてしまいます。 この場合の運転者への制裁は反則金の支払いと違反点数(2点又は3点)の付与。また、運転者が反則金を納付すれば使用者は放置違反金を納付する必要はありません。 つまり、出頭しないと放置違反金という金銭的制裁のみで、出頭すると反則金という金銭的制裁に違反点数付与という制裁も加わります。(放置違反金と反則金は同額) ただし、詳細は割愛しますが同一車両が一定期間内に放置違反金処理を複数回受けると車検が受けられなくなるというペナルティーはあります。
結論
現行法令上は上記の使用者責任と運転者責任には優先順位はなくどちらを選ぶかは自由。 しかも両者はどちらか一方を選べばもう一方の責任は問われないという関係にあります。そのため、放置した運転者と使用者が違う場合には使用者に迷惑を掛けてしまう可能性はあると思います。 ですが職業的な理由や点数が溜まって免停が目前の方の大半はお得な『出頭しない』を選ぶのでは?と思ったりする訳です。 ま、国にとっては『放置違反金』という名の新たな財源が増え、運転者にとっては点数の心配がなくなる、というある意味Win-Winの関係では?という別の見方もあったりしますが…。 以上、駐車禁止の張り紙を貼られても慌てて警察署へ出頭しない方がいい、は本当か?について掘り下げてみました。 参考になれば幸いです。
行政書士ライダー