県内大雪、交通乱れ 倒木で大けが、引き続き注意
日本列島付近は強い冬型の気圧配置となり、上空に強い寒気が流れ込んだ影響で、本県は9日、各地で本格的な大雪となった。山岳部を通る山形自動車道は一部区間で通行止めとなり、一般道でも大型車などが雪で立ち往生した。空路や鉄道もダイヤが乱れたほか、鶴岡市内では雪による倒木で男性が大けがをした。本県などの北日本や東日本の上空には、引き続き強い寒気が流れ込む見込み。日本海側を中心に大気の状態が非常に不安定となり、局地的に積乱雲が発達するとみられ、10日も大雪に注意が必要となっている。 山形地方気象台によると、東北地方の上空約5千メートルには、氷点下39度以下の強い寒気が流れ込んだ。雪雲が次々に発達し、午後6時現在の積雪は大蔵村肘折188センチ、西川町大井沢166センチ、小国110センチ、尾花沢76センチなど。各地で朝から除雪作業をする人の姿が見られた。 米沢市内では8日夜から雪が降り続き、住民は9日早朝から雪かきに追われた。飲食店従業員武田千佳さん(55)=同市中央1丁目=は「除雪してもすぐに積もってしまう。水分を多く含んだ重い雪で、片付けるのが大変だ」と話していた。長井市では日中でもヘッドライトを点灯させながら車が行き交い、山形市内では見通しが悪くなるほど、雪が降った。
国土交通省は車が立ち往生する恐れがあるとして、大雪の場合は不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。車を運転する際は冬用タイヤの装着やチェーン携行の徹底を求めている。 10日も雪が降り続ける見通しで、雪下ろしや除雪での事故の発生も懸念される。同日午後6時までに県内で予想される24時間降雪量は多い所で、山沿いが70センチ、平地が50センチ。引き続き大雪に警戒が必要となっている。 【道路】山形市新山付近の国道286号では午後4時ごろから、タンクローリーや大型トラックなど計6台が立ち往生した。道路を管理する県村山総合支庁道路課によると、この影響で関沢インターチェンジ(IC)付近からローソン山形滑川店付近まで、通行止めとなった。また、雪による立ち往生など交通障害が懸念されるとして、山形自動車道の湯殿山IC―庄内あさひIC間は同5時ごろから約4時間、上下線が全面通行止めとなった。 【鉄道】JRの山形新幹線つばさを含む奥羽本線や、特急いなほを含む羽越本線では、大雪などによる遅れや運休で少なくとも計980人に影響が出た。JR東日本山形支店によると、奥羽本線はつばさを含め上下8本以上が運休するなどした。羽越本線は強風で特急いなほと普通列車の下り2本が遅れ、約190人に影響した。10日も大雪や強風が見込まれ、本県関係では、羽越本線の特急いなほ上下2本が酒田―秋田間で、普通列車上下4本が吹浦―羽後本荘間で、それぞれ区間運休する。仙山線でも遅れや運休が発生する可能性がある。フラワー長井線は西大塚―今泉間で発生した倒木の影響で一時運転を見合わせた。