監督から「頂いたオファー」 青山敏弘、サプライズ発表の来季コーチ就任“秘話”告白「このクラブと一緒に」
今季限りで現役を引退する青山の来季コーチ就任は指揮官から発表された
現役生活21年、ワンクラブに情熱を注ぎ続けた広島のバンディエラがユニフォームを脱ぐ。サンフレッチェ広島の元日本代表MF青山敏弘は12月1日、ホーム・エディオンピースウイング広島で行われたJ1リーグ第37節北海道コンサドーレ札幌戦(5-1)後に、現役引退セレモニーを実施。場内ではミヒャエル・スキッベ監督から来季のコーチ就任がサプライズ発表され、青山自身も指導者の道へ進む覚悟を新たにした。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞) 【実際の映像】「こんなの泣くしかない」青山敏弘から川辺駿へ…背番号「6」が継承された感動の瞬間 ◇ ◇ ◇ 「今日ですね、1人20年間このクラブで過ごしてきた素晴らしい選手、アオとお別れする日になります。彼の素晴らしいキャリア、素晴らしい人間性がある人が、今度は自分たちコーチ陣として一緒にやってくれます。ここまで20年やってきた経験を今度はコーチとしてサンフレッチェ広島に貢献してくれることを確信しています」 試合後のセレモニー、スキッベ監督は堂々と口を開いた。正式発表されていなかった青山の来季について、コーチ就任をサプライズで明らかにした。この先、指導者の道へ進むことは明言していたが、21年間戦い続けた広島でまた新たな扉を開く。 青山自身の思いはどうか。半袖のユニフォーム姿で取材エリアへと現れた背番号6が思いを語った。 「まず、ここで指導者をさせてもらうということがどれだけ恵まれているか。この環境でね。スキッベさん、素晴らしい監督ですし、指導者の第一歩をこういう方の下で学べるというのが楽しみで仕方がないですし、これはスキッベさんからいただいたオファーだと思う。僕はそう思っていて、スキッベさんがチームとクラブにね、推してくれたというか、話をつけてくれたので、それだけで自分もそこに向かって半端な思いでできるものじゃないと思っているので。また1から」 監督自ら、青山を推薦して“就職先”を決めたという。それほど、指揮官との絆は強い。だからこそ自身もその思いを受け取り、次のステップで羽ばたく覚悟だ。 「全く違うものだと思っている。指導者というのは。ここでプロとして選手としてここまでやれた次のモチベーション。新たな何か燃えるもの、このクラブでまたやらせていただくというのは僕にとって間違いないんじゃないかなと思う。そこを目指してまだまだ先だと思うんですけど、夢を大きく、夢はつかんで。気分はできてきたので、この先も同じようにこのクラブと一緒にやっていきたいと思います」 21年過ごしたクラブとまた歩みを始める。森保一監督からは「サンフレッチェ広島で監督になってほしい」とメッセージが送られた。だが「まだ先」。最終節では逆転優勝を手繰り寄せなければならない。「まだ何かできるんじゃないかと自分に期待している」。青山は9年ぶりの星をつかみ取るためにそう話した。終わっていない今季。そして、終わらないこれからの道。青山敏弘とともに進み続けていく。
FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi