27日の衆院選、投票ためらう若者に知ってほしい 名古屋の学生たちがSNSで動画発信
SNSで発信 “作戦会議”も
この日は政党の学生部に所属する学生に、政治に興味を持ったきっかけなどを尋ねるインタビューを撮影していました。 「まずは若者と政治の接点を作ることが大事だと思っていて、SNSを通じて政治家や関心のある学生と、まだ関心を持てていない学生をつなぐ」(油口代表) 若者の投票率を上げたいと意気込む油口さん。中京大学のキャンパスを訪れると、撮影した動画の編集作業と、動画をより多くの学生に見てもらうための"作戦会議"が行われていました。 少しでも同世代の目に触れる機会を増やそうと、できる工夫を探ります。衆院選の先も見据え、投稿する動画には再生回数の目標も立てました。 「衆院選が終わった1カ月後には名古屋市長選挙がある。まずはこのプロジェクトを成功させて次の名古屋市長選につなげていきたい。1投稿5000人の視聴を目指して取り組みたい」(油口代表)
行動経済学の視点では
若者が選挙に関心を持つ様子を、SNSを通じて同世代に見せようとするこの活動。どのような効果が期待できるのでしょうか。 行動経済学の専門家はーー。 「行こうと思っているけど、今まで行けなかった人が多いと思う。周りが行っていないから自分も行かなくていいと思っている人には、SNSを使って若者世代への呼びかけなど、いろんな情報を可視化していく戦略やアプローチは有効だと思う」(大阪大学 佐々木周作 特任准教授) 同年代が選挙に関心を抱く姿を見せることが安心感につながり、これまで投票をためらっていた若者の背中を押すきっかけになる可能性があるといいます。 「初動を起こすというか自分からアクションを起こすのはとても難しい。全然違う例ですが、職場や学校環境で、この子は絶対ダイエットしないだろうと思っていた人が、いざやり始めて成功することのインパクトはすごく大きい。自分もやらないといけないなと」(佐々木特任准教授)
若者が選挙に行かない理由
佐々木特任准教授は「選挙に行きたいと思っている若者は一定数いるはずだ」といいます。 それでも行動に移せる人が少ないのは、選挙について話す習慣があまりなく、「周りが行かないなら、自分も行かない」と思ってしまうのではといいます。 そのうえで油口さんたちの取り組みは、「周りに選挙に行く人がいる」ということを知ることで、投票行動を促すきっかけになるのではということです。