インフルエンサーの“出店したい”を刺激するフリマサービス「ピックユー」 25歳の2人の創業者に聞く
WWD:確かにインフルエンサーが鍵垢や別アカウントで自分の古着を売る動きは一時期頻繁に見られた。
冨田:いろいろ事情や考えがあるんだと思います。ですが、フォロワーを使っていらなくなったものをお金に変えるという行為自体がイケているものではないので、ダサいと思われたくないという面もあったと思うんです。出品者側も洋服を売りたいし、ファンである消費者としても買いたいという需要があるのに、オープンに運営しづらい状況がありました。今は、「ピックユー」でインフルエンサーが実名で堂々とフリマをやっています。これは「ピックユー」のイノベーションだと自負しています。
WWD:インフルエンサーはなぜ「ピックユー」であれば出店したいという気持ちになるのか。
河合:ファッションを理解している僕らだからこそ、「ピックユー」で出店することが“イケている”というムードをつくることができたと思います。「ピックユー」で出品、購入することがイケているというムードを醸成するためには、そもそも「ピックユー」のプラットフォーム自体がイケているという認知を広める必要がある。その役割をSNSが担うという道筋を最初から設計していました。
動画「今日なに着てる?」でファッションの熱量を上げる
WWD:すでにフォロワー数はインスタグラムが13.7万人、tiktokが8.8万人に達している。
河合:基本的に僕らのサービスはSNSからユーザーが入ってきています。SNS運用で広告宣伝費を使わずにサービスの認知を拡大できました。また、商品を買い取っているわけではないので出品者がインスタグラムのストーリーズなどで自発的に宣伝をしてくれることも経営上のメリットです。
WWD:インスタグラムのリール動画「今日なに着てる?」インタビューの総再生回数は1.2億回を超えている。このコンテンツを始めようと思ったきっかけは?
河合:ファッションに対するみんなの熱量を上げないと服が売れていかないと思ったからです。僕自身も服が好きで、学生時代は当時のストリートスナップに影響を受けていました。スナップがあるからみんなファッションを頑張るし、オシャレして外出しようと思う。近年はその文化が衰退していって、アルゴリズム的にもフィードのトップにストリートスナップが上がらなくなってきていました。そんな中で再燃できたら、みんなのファッションの熱量が上がって業界にもプラスだと考えて始めました。