インフルエンサーの“出店したい”を刺激するフリマサービス「ピックユー」 25歳の2人の創業者に聞く
裏側を全て引き受けているため、インフルエンサー側の出品体験も購入者側の購入体験も良い。だから両方のユーザーの獲得につながっています。
WWD:なぜ、商品の説明文といった工程は出品者に任せる形を採用したのか?
冨田:出品者個人の個性や魅力が出るところであり、僕らに委ねたくないこだわりの部分でもあるからです。インフルエンサーの服を買うというサービスの仕組み上、出品者である彼らが表に立つことは必須。そこは購入のフックとして残す必要があると考えました。
WWD:どういった商品が売れる傾向にあるか。
冨田:フォロワー500人の人でも売り上げを立てている事例もあり、フォロワー数と売り上げが相関しないのが僕らのサービスの面白い点だと思っています。売れる商品は商品自体にバリューがある場合もありますが、「ピックユー」のプラットフォーム上にあるから売れるという側面もあります。出品者に関係なく全ての商品を一括で決済できる仕組みによる満足感や、全アイテムを統一規格で採寸して商品画像を掲載していることの信頼感により、場としての魅力が高まっていることで商品が売れやすくなっています。
フリマをかっこいいと思っていなかった
WWD:そもそも、2人が共同で会社を立ち上げるに至った経緯は?
冨田:大学在学中にこのビジネスモデルを思い付き、大学3年の終わり頃には1人で実験的にサービスを始めていました。ビジネスモデル自体には自信がありましたが、僕らはファッションのサービスなのでビジネスの側面と同じくらいユーザーからどれだけイケてると思われるかが重要です。そこが河合とならできると思いました。
河合航大取締役(以下、河合):僕は文化服装学院出身で、周囲にファッション業界の人が多い環境にいました。僕を含めて彼らはフリマをかっこいいとは捉えていませんでした。特に、インフルエンサーがフリマをやることに対してネガティブなイメージを持っている人が多いと感じていました。そこの価値観を逆転できたらうまくいくのではと思いました。