インフルエンサーの“出店したい”を刺激するフリマサービス「ピックユー」 25歳の2人の創業者に聞く
最初がバズれば、他の媒体も続いてどんどんはやる。多くの人がファッションを目にする機会が増えて、服をおしゃれにしてみようかなという気持ちが湧く。このサイクルをつくりたいと考えたんです。
WWD:「今日なに着てる?」の出演者は全員出品者?
河合:出品者もいますし、これから出品する人もいます。アポイントを取って撮影することもあれば、歩いているときにハントすることもあります。そこは特に決めていません。ですが、ファッションの系統はオールジャンルを扱うことを意識しています。フォロワー数も気にせずにオファーをしています。狙っているのは、誰でも出られるわけではないが、全員が自分も頑張ったら出られるかもしれないと思えるライン。そこを見せることが、みんながファッションを楽しみたいという欲につながると思います。 メディアならばニッチな狭い層に刺さるものを選ぶという手段もあると思いますが、僕らはあくまでフリマサービス。利用者は多ければ多いほどいいんです。そうなると、全員に共通して可能性を見せる必要があります。
WWD:ジャンルを問わずに取り上げるとイケているムードとは離れて、大衆に寄りすぎてしまう気がする。そこはどうコントロールしている?
冨田:リールは可能性を絞らずに出演してもらっています。ですが、フィード投稿は河合がディレクションして「ピックユー」の世界観をダイレクトに作っています。リールはさまざまな人が出演する、フィードは自分たちのサービスの世界観を魅せる、ストーリーズはアイテムの情報を出すなど、SNSツールの機能で使い分けています。
WWD:利用者の幅は広げつつも、インフルエンサーが出店したくなるようなイケてるツールという絶妙なバランスを保っている。
河合:文化服装学院に通っているときに思ったんです。みんな好きなものを作るしやりたいブランドがある。でもやっぱりうまくいかないし、そもそも見てもらえないということも多かった。どうしてだろうと考えたときに、何をやるかだけでなく、それをどう見せていくかが重要だと思いました。だから、ファッションに興味のない人にも届けるために、「今日、何着ていますか?」などの文脈に載せたアプローチをしています。