三菱自動車、大幅改良した新型「アウトランダーPHEV」発売記念イベント 加藤隆雄社長や江口洋介さんが魅力をアピール
三菱自動車工業は11月1日、大幅改良したクロスオーバーSUV新型「アウトランダーPHEV」の発売記念イベントをSHARE GREEN MINAMIAOYAMA(東京都港区南青山)で開催した。イベントには三菱自動車工業 代表執行役社長 最高経営責任者の加藤隆雄氏、代表執行役副社長 の中村達夫氏、商品戦略本部 チーフ・プロダクト・スペシャリストの五味淳史氏が出席するとともに、ゲストとして俳優・歌手の江口洋介さん、柔道女子48kg級日本代表の角田夏美さん、JCL 代表取締役およびJCL TEAM UKYO 代表の片山右京氏が登壇した。 【画像】会場に展示された新型アウトランダーPHEV 10月31日に正式に発売された新型アウトランダーPHEVは力強く存在感のある外観デザイン、PHEVシステムを含めた動力性能、ツインモーター4WDと四輪制御技術「S-AWC」からなる高い操縦安定性、3列7人乗りシートの採用による使い勝手のよさといった従来の美点はそのままに、「洗練」「上質」を重点項目として正常進化を果たしたモデル。 新型アウトランダーPHEVでは新たに最上級グレード「P Executive Package」を加えて「P」「G」「M」の4グレード展開となり、ベーシックな「M」(5人乗り)では運転支援技術と予防安全技術など最新機能を装備し、充実装備の「G」(5人乗り/7人乗り)では20インチアルミホイールやコネクティッド機能、エレクトリックテールゲートなどを採用。上級仕様の「P」(7人乗り/5人乗り)では上質な内外装と運転席・助手席シートベンチレーションやリアシートヒーター、3ゾーン独立温度コントロール式フルオートエアコンなどの快適装備を標準装備した。 パワートレーンではリチウムイオンバッテリを刷新し、バッテリ容量を従来の20kWhから約10%増の22.7kWhとし、EV航続距離を「M」グレードで従来の87kmから106km(WLTCモード)に、その他グレードでは83kmから102km(WLTCモード)と約20km伸長した。さらにPHEVシステムでは最高出力を約20%向上するとともに、アクセル操作時のモータートルク特性をマイルドな仕様にすることで、車両挙動が安定し快適性を向上させている。 ■ 「新型アウトランダーPHEV、12年目の進化と挑戦にぜひご期待ください」 会の冒頭に登壇した加藤社長は、アウトランダーPHEVがSUVタイプで4WDのPHEVとして2013年に誕生し、それから今日まで世界で38万台(日本では約10万台)を販売し、同ジャンルで世界ナンバーワンとなっていることを報告するとともに、「この度、PHEVシステムを中心に大幅な商品強化を行なった新型アウトランダーPHEVの販売を開始いたしました。カーボンニュートラルの実現に向けて電動化が加速していますが、バッテリEVの販売は初期の需要が一巡したこともあり、やや停滞しています。一方、日常はほとんどEVで、ハイブリッドとしても充電の心配なく電動ドライブを楽しめるPHEVは有力な選択肢としてグローバルでますます需要が高まっています」と報告。 そして今回の新型アウトランダーPHEVは、同社の電動化技術と四輪制御技術の粋を集めて一層の熟成を図り、環境に優しく、どんな天候や路面でも安心安全で快適にドライブを楽しめる、三菱自動車らしいPHEVに仕上がっていると述べるとともに、「EV航続距離は100kmを超え、上質で力強いステアリングフィールに磨きをかけました。また、ヤマハさまとの共同開発によるダイナミックな音響空間など、プレミアムSUVとして格段の進化を遂げています」とアピールした。 また、三菱自動車ではカーボンニュートラルの実現に向け、クルマの電動化や低燃費だけでなく、3Rと言われる「Reduce(リデュース)」「Reuse(リユース)」「Recycle(リサイクル)」などさまざまな取り組みを実施しているが、「カーボンニュートラルといったときにエコドライブに徹し、走る楽しさについては我慢を強いられるというイメージがあるかもしれません。しかし、三菱自動車のPHEVでは走行状況に応じた最適な走行モードでエコドライブを推進するのはもちろん、EV走行したいときにEV走行したり、目的地で給電機能を活用して楽しむために走りながら充電したりも可能です。1人ひとりのお客さまが自分のやりたいことを存分に楽しむ、挑戦したいというアクティブな気持ちを後押しする。そんなアクティブ・アンド・カーボンニュートラルを実現します。この新型アウトランダーPHEVは、三菱自動車のものづくりの情熱とこだわりを結集した、まさに最高傑作と言えるクルマであり、お客さまのアクティブ・アンド・カーボンニュートラルをサポートします。新型アウトランダーPHEV、12年目の進化と挑戦にぜひご期待ください」と述べている。 チーフ・プロダクト・スペシャリストの五味氏は新型アウトランダーPHEVのコンセプトが「威風堂堂」であり、このコンセプトを実現するための柱として「力強さ」「頼もしさ」「上質感」「力強く滑らかな走り」の4点を挙げた。その中でも「特にこの力強い外観デザインとPHEVのシステムを含めた動力性能にいま高い評価が集まっておりまして、アウトランダーの商品特徴になっているのではと考えています。しかし、内装の質感につきましては皆さんから大変ご満足いただけている状況ではございますが、一部プレミアムブランドからの比較検討されているお客さまから『もうちょっと上質感があったらいいな』というご要望を頂戴しているというのが正直なところです。よって、これらのお客さまのフィードバックを踏まえまして、今後より上位の車種と競合していくためには質感のさらなる向上というのが最重要項目であると判断いたしました。重点項目を洗練、上質の2点に決め、現行モデルの正当進化を目指すこととしました。つまり、新たに競合し始めているプレミアムブランドや上位の車格のモデルに対して頼もしさ、上質感、そしてEVらしさをもう一度徹底的に追求して、歴代最高のアウトランダーに進化させていくといった戦略になります」と説明。 外観デザインについてはこれまでも高い評価が得られている状況を踏まえ、大幅な変更は実施せず、グリル、ホイールなどデザインの細部のリファイン、ターンランプやバックランプのLED化、新色の追加などで洗練されたイメージへと変更し、力強さと洗練さを感じ取ってもらえるよう商品力の向上を実施。 内装についてはセンターディスプレイの画面サイズを12インチに大型化し、質感向上のためにメーターおよびセンターディスプレイのグラフィックをより上質なものに変更した。また、さらなる上質感の演出のためにヤマハとのコラボレーションにより2種類のオーディオシステムを採用したのが新しい。さらに、キャビンの質感や快適性向上のため要望が多かったというベンチレーションシートを採用するなど、質感をアップするアイテムを多数採用した。 五味氏は最後に「新型アウトランダーPHEVは内面をしっかりと鍛え上げた商品としています。特にキャビンに乗っていただければ、一層上質になった室内空間を感じ取っていただけることと思いますし、一度アクセルを踏んでいただければより格段の動力性能の進化を感じられるのではないかと自負しております」とアピールした。 ■ 2005年のCM以来、ふたたびアウトランダーの新CMに江口洋介さんが登場 その後、会場ではジャパンサイクルリーグが主催する各種レースやイベントの運営会社であるJCL(代表取締役は片山右京氏)とトップパートナーシップ契約を締結したことがアナウンスされた。JCLの掲げる「自転車を通じて日本を豊かにする」「日本国籍チーム初のツール・ド・フランス出場と表彰台を目指す」というミッションに共感して今回のトップパートナーシップ契約の締結に至ったという。 登壇した片山右京氏は新型アウトランダーPHEVについても言及し、「新型アウトランダーPHEVですが、サーキットなどすごい時間かけて走らせていただきました。正直言ってすごいクルマです、びっくりしました。いまどんなクルマも環境性能をどうしても外すことができなくて、バッテリが大型化すると重量が増えて慣性モーメントが大きくなったり。職業柄、そっちばっかりに感覚がいっちゃうんですけども、動力性能、運動性能がみんなスポイルされて、正直言ったらすごいクルマってあんまり感じたことがなかった。ただ、それがモーターの出力が大きくなってものすごい動力性能で加速し、そうなると本当はコーナリングが苦しくなるのが地球の物理の法則なんですけども、そこにAYCやS-AWCといった最新のテクノロジによって運動性能に関してはすごいです。本当に鍛えられた環境っていうのが、ひもとけばパリ-ダカールラリーであったりアジアクロスカントリーラリーであったり、そういったスペシャリストの鍛えたボディ剛性、そこに最新技術が加わったことで、本当にサーキットで走ってもものすごい安全性とコーナリングのフィーリングを楽しめます」と評価した。 また、新型アウトランダーPHEVの新CMに出演する俳優・歌手の江口洋介さんとともに、柔道女子48kg級日本代表の角田夏美さんも登壇。 2005年のアウトランダーのCMにも出演した経験のある江口さんは、「僕にとってもすごく印象的なクルマのCMだったので、僕もこの話をいただいて本当にうれしくて。クルマが新型になり、なかなかそうやってまた呼んでいただけることもないので、すごくクルマに期待して(CM撮影に)行ったんですけども、その期待を超えるぐらいの進化ですばらしいクルマだったので、これはぜひ一緒に力を合わせて皆さんに提供したいなと思いました」とコメント。 一方でアウトランダー(ガソリン車)のオーナーで、今回新型アウトランダーPHEVを注文したという角田さんは「ずっとアウトランダーに乗っていて、ガソリン車からPHEVに変えるというのがなかなか決断できなかったんですけど、試乗させてもらったときにすごい音の静かさっていうのを感じました。新型アウトランダーPHEVは結構ガソリンでも走れるっていうところがあり、自宅のマンションに充電器をつけなきゃいけないのかなっていう不安がなくなったので、今回はそれで注文させていただきました」と、新型アウトランダーPHEVを注文した理由などについて語った。
Car Watch,編集部:小林 隆,Photo:高橋 学