「脳波を読み取るヘッドホン」が約10万円で発売、集中力を高める効果?
ユーザーの脳波を読み取って分析を行うヘッドホンが699ドル(約10万1000円)で発売された。「MW75 Neuro」と呼ばれるこのヘッドホンを開発したNeurableとMaster & Dynamicによれば、この製品は、「脳のフィットネストラッカー」のようなものだという。 Master & DynamicのCEOであるジョナサン・レヴィンは、このヘッドホンが「史上初の完全統合型のブレイン・コンピュータ・インターフェイスを搭載したコンシューマー向けヘッドフォン」であり、ユーザーが自身の生産性の習慣を理解し向上させるためのブレイクスルーを実現したと述べている。 MW75 Neuroは、ヘッドフォンのイヤーパッドを通じて、12チャンネルの脳波(EEG)活動をキャッチする。私たちの脳内の何十億ものニューロンは、電気信号を生成しており、EEGマシンは、それを脳波として読み取ることができる。Neurableは人工知能(AI)エンジンを介してこのデータを処理・解釈し、任意の瞬間に脳内で何が起こっているかを理解する。 MW75ヘッドフォンは0~131ヘルツの脳波をサンプリングするため、睡眠中に脳が発するデルタ波から、強い認知タスクの際に現れるガンマ波や高ガンマ波に至るまですべてキャッチする。このヘッドホンは、人々が集中力を高めやすくし、バーンアウト(燃え尽き)を防ぐことを目的としている。そして、休憩を取るべきタイミングや仕事を再開すべきタイミングをアドバイスする。 MW75ヘッドフォンとそれに付属するアプリは、時間が経つにつれて、ユーザーが最も効率よく働けるタイミングや方法を学習し、その情報に基づいた提案を行うという。NeurableはこのAI搭載プラットフォームの開発に10年の時間を費やしたと述べており、ラボレベルの精度を実現したと主張している。 「フィットネストラッカーが睡眠やワークアウトのデータを提供するのと同様に、Neurableのモバイルアプリはデータやトレンド、インサイトを提供して、集中力の管理や生産性の最適化をサポートし、人々がより効率的に働けるようにする」と同社は述べている。 このヘッドホンは、脳のセンシングとモニタリングの機能以外にも、3種類のノイズキャンセリングレベルや4つのアンビエントリスニングモード(周囲の音を聞き取れるモード)、Bluetoothなどの高級ヘッドホンに期待される一般的な機能を備えている。また、外部の雑音を除去してクリアな通話を実現するために、6つものマイクが搭載されている。 MW75 Neuroは、公式サイトで販売中だが、発送先は米国とカナダに限定されている。
John Koetsier