シャンティイでC・デムーロ騎手にじっくり取材 凱旋門賞馬との興味深い比較に…/三嶋まりえ奮闘記
【三嶋まりえ奮闘記・第7回】
シャンティイ初日の27日は、シンエンペラーの滞在先である清水裕夫厩舎へ。中に入ると、矢作厩舎のスタッフの皆さんとレーシングマネージャーの安藤さん、JRAパリ事務所の方々がいて、日本語が飛び交う空間になんだかホッとした気持ちになりました。 【写真】豪華併せ馬を演じたブドー氏とC・デムーロ騎手 そこで衝撃の事実が。「今日はクリスチャンが乗るよ」。前走の愛チャンピオンSに続いて、C・デムーロ騎手が1週前追い切りのためにエーグルの調教場まで駆けつけるとは…。しかも、併せ馬をする清水厩舎の馬には、凱旋門賞を制したこともある元騎手のPC・ブドー氏が乗るというのだから驚きました。 C・デムーロ騎手&ブドー氏騎乗の2頭を含む4頭で行われた超豪華併せ馬は、他の3頭の脚いろが早々に鈍ったこともあり、シンエンペラーがぶっちぎりの先着。かなりの大差をつけていました。C・デムーロ騎手は「前走よりも良くなっているし、馬場がすごく重いんだけど全然大丈夫だった。ここからはやり過ぎないように。フレッシュなままレースへ向かえたらいいと思う」と状態面の良化を伝えてくれました。
C・デムーロがカフェでニエル賞を回顧
来日経験が何度もあるC・デムーロ騎手。登場した瞬間から「コンニチワ」と日本語で挨拶。シンエンペラーに「ソレ、ダメ」と日本語で話しかけたり、シンエンペラーの全兄である凱旋門賞馬ソットサスとの比較を聞くと「メッチャニテル」と言ったり…。日本語がかなり得意な様子でした。 調教後は近くのカフェへ。このカフェは多くの競馬関係者が集まると言います。C・デムーロ騎手はエスプレッソを頼むと「ソットサスのニエル賞(仏GⅡ=2019年)の勝ち方が、シンエンペラーの京都2歳Sの勝ち方にそっくりなんだ」とみんなにスマホで映像を見せながら解説してくれました。 C・デムーロ騎手本人がするニエル賞の回顧は目からうろこ。「このときは行き場がないくらい内に包まれて、外に出せない状況だった。馬は反応はしているんだけどね。だけど、ペリエさんの馬がヨレて、そこでスペースができたのがラッキーでした」。興味深い話の数々に聞き入ってしまいました。 ソットサスについて話すときによく出てきたのは〝レイジー〟という言葉。怠けものでなかなか進んでいかないんだとか。その怠け方もシンエンペラーと似ているところのひとつのようです。 凱旋門賞馬ソットサスに〝メッチャニテル〟というシンエンペラー。今年の凱旋門賞で日本馬初の制覇なるか、期待が高まります。
三嶋 まりえ