鶴屋怜が朝倉海のタイトル挑戦に「正直ムカついた」本当の理由「誰であろうと『負けろ』と思う」
現在は心境に変化も「朝倉海選手ファンがたくさんいてUFCを見てくれるように」
昨年12月8日に行われたUFCフライ級タイトル戦。「パントージャはやっぱり強いな」が最初に出てきた感想だった。 「『フライ級だから日本人が取れる』って世間では思われてるかもしれないけど、壁は高いなとは思いました。この前の達郎くんとブランドン・ロイバルの試合を観てもそうですけど、『こいつらを倒さないと1位になれねぇんだ』って。より頑張らないといけない気持ちになりました」 それと同時に出てきたのは安ど。日本人にベルトを獲られずにホッとした自分もいた。朝倉の敗戦後1分で「朝倉海はUFCのチャンピオンにふさわしくない」とSNSに投稿した。 「誰であろうとタイトル戦を組まれたら『負けろ』と思いますね。日本で一番『UFCチャンピオンになりたい』って口にした人って俺だと思うんですよ。達郎くんも(チャンピオンになりたいと)思ってるかもしれないけど言わない。俺が一番なりたい気持ちは強いから、自分の未来のためにタイトル挑戦する人には誰であろうと『負けろ』と思います」 現在は朝倉にも別の感情が生まれているようだ。 「朝倉海選手ファンがたくさんいて、UFCを見てくれるようになったりはした。海選手のおかげで知名度も上がったのかなと自分では思ってます。RIZINを見てる人たちにはUFCには俺(鶴屋怜)がいるんだよってもっと言いたい。そのためにも自分がもっと強くならないとですね」 次戦は格闘技イベント「UFC 312」(2025年2月9日、豪州・シドニー)でスチュワート・ニコル(豪州)と対戦する。全体的なレベルアップをはかるため、現在は出稽古中心の生活を送っている。 「ほぼ柏では練習をしていなくて、東京の才賀紀左衛門さんのジムに行っているんですよ。紀左衛門さんはすごく打撃を教えるのがうまくて。MMAにあった打撃、俺がいまいちばん必要としてる打撃を丁寧に教えてくれるので、めちゃくちゃ身に付けています。 あとは土居(進)トレーナーのフィジカルあげるジムに行って心拍数をあげる練習をしていて、あとはトライフォース池袋に行って寝技をめちゃくちゃやったり。全体的に一段階グッと上げる練習をしています」 朝倉の参戦で注目度が確実に上がっているUFC。当然、同じ階級で戦う無敗の日本人戦士としてこの流れに乗りたいところだ。それだけに思いも強い。「前回の試合でフィニッシュするって言って、しょっぱい試合をしちゃったので、次はしっかり、でかい発言もしたし、絶対フィニッシュで勝ちたい」と意気込んだ。 「負けろ」。賛否を呼んだこの言葉は中学生からひたすらに追いかけてきたからこそ出てきた。同じ日本人である以上に同じ階級で戦うライバル。ファイターである以上、決して忘れてはいけないハングリー精神を持った22歳はいつベルトを手に入れるのか。そう遠くない未来に巻いている姿が目に浮かぶ。
島田将斗