鬼の追い上げ、ファイナルラップの激闘……2023年シーズンの劇的瞬間|読者が選ぶベストモーメント
2023年もmotorsport.comでは読者投票企画を実施。その中から、今回は2023年の象徴的なシーン『ベストモーメント』をランキング形式で紹介する。 【ギャラリー】これが鬼才の仕事。エイドリアン・ニューウェイ作のベスト10マシン ■ベストモーメント同率5位:WRCラリージャパン、勝田貴元クラッシュからの追い上げ 2022年に復活して2度目の開催を迎えたWRCラリージャパン。TOYOTA GAZOO Racingの勝田貴元はSS2で落ち葉に足を取られてクラッシュを喫してしまったが、そこから素晴らしいペースで挽回を続けた。 SS最速タイムも連発し、3連続を含む合計10回のSSベストタイムを記録した勝田は、最終的に総合5位でフィニッシュ。母国のファンの前で、世界中を驚かせるような素晴らしいパフォーマンスを魅せた。 2024年はTOYOTA GAZOO RacingのレギュラードライバーのひとりとしてWRCを戦う勝田。日本で見せたキレのある走りを期待したい。
ベストモーメント同率5位:ファビオ・ディ・ジャンアントニオの奮闘・覚醒(MotoGP)
マルク・マルケスは、低迷しているホンダからドゥカティ陣営のグレシーニに移籍することを決断。これによって、2024年の去就が一気に不透明になったのがグレシーニにいたファビオ・ディ・ジャンアントニオだった。 MotoGP挑戦2年目のディ・ジャンアントニオが6度のMotoGP王者であるマルケスにはじき出された形だが、その後ディ・ジャンアントニオはまさに”覚醒”。オーストラリアGPで自身初の表彰台を獲得すると、カタールGPでは初勝利を挙げた。 こうした奮闘ぶりが評価され、マルケスの後任としてVR46からレプソル・ホンダに移籍したルカ・マリーニのシートをゲット。まさに実力で未来を勝ち取ってみせた。
ベストモーメント4位:F1サンパウロGP、アロンソvsペレス、最終ラップの攻防
F1サンパウロGP決勝でレッドブルのセルジオ・ペレスを相手に激闘の末、表彰台を奪い取ったアストンマーチンのフェルナンド・アロンソの走りが4位にランクインした。 レース終盤、アロンソはペースに勝るペレスの追撃を受け、ラスト2周のところでついにオーバーテイクを許してしまい、これで勝負は決したかと思われた。 しかしアロンソは諦めず、最終ラップのターン1でペレスを苦しい走行ラインへ押しやると、続くバックストレートでDRSを武器に並びかけ、ターン4でアウト側からペレスを交わした。最終コーナーでも横並びとなったふたりのバトルは、最後の直線勝負に持ち込まれ、0.053秒差でアロンソに軍配が上がった。 現在42歳のアロンソは、2023年のシーズン序盤から表彰台の常連となり、まだその腕が全く錆びついていないことをまざまざと見せつけた。2024年も彼の走りが楽しみだ。