鬼の追い上げ、ファイナルラップの激闘……2023年シーズンの劇的瞬間|読者が選ぶベストモーメント
ベストモーメント3位:F1ラスベガスGPの最終ラップのルクレールVSペレス
こちらも、ファイナルラップに繰り広げられたF1ドライバーのバトル。舞台となったのは市街地サーキットで2023年初開催となったラスベガスGPだ。 ポールシッターのシャルル・ルクレールは、スタート直後にグリッド2番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に押し出される形となり、首位を失った。しかしルクレールはコース上でフェルスタッペンを抜き返すと、1ストップ戦略で優勝を目指した。 これにレッドブルは2ストップ戦略で対抗。ペレスとフェルスタッペンの2台がかりでルクレール攻略にかかった。長いストレートを備えたラスベガスでチームプレイの効果は高く、ミスもあったルクレールは3番手まで後退してしまった。 しかしルクレールは諦めなかった。ファイナルラップのロングストレートエンドで鬼のレイトブレーキング。ペレスは全く抵抗できず、2位を明け渡した。 2023年は未勝利に終わったルクレール。2024年はリベンジに燃えているはずだ。
ベストモーメント2位:立川祐路、スーパーGT引退
2023年、日本を代表するレーシングドライバーのひとりがステアリングを置いた。2001年に全日本GT選手権でシリーズタイトルを獲得し、後身のスーパーGTでは2005年、2013年と、GT500クラスで3回のチャンピオンに輝いた立川祐路だ。1999年からはセルモ一筋で、20年以上に渡ってトヨタ陣営のGT500を牽引。40歳を過ぎてもなお第一線で活躍してきた。 ラストイヤーは優勝こそ記録することはできなかったが、4位入賞を果たした第7戦オートポリスで見せた100Rでの大外からの2台抜きは、多くのファンの心を熱くさせた。 2024年シーズンからは代表兼監督としてセルモを率いていくこととなる立川。メインスポンサーにKeePer技研株式会社を迎え、装いを新たにする38号車の活躍に注目だ。
ベストモーメント1位:角田裕毅、アブダビGPで躍動。ドライバー・オブ・ザ・デイ獲得
2023年はコロコロとチームメイトが変わる中、アルファタウリを引っ張った角田裕毅。シーズン終盤のアップデートでマシンのパフォーマンスが上がったこともあり、ポイント獲得を重ねた。 角田はアメリカGPで自身初のファステストラップを獲得し、最終戦アブダビGPではレース戦略の違いもあったとはいえ、自身初のラップリードを記録した。 アブダビでの角田の走りは世界中のファンも認め、ドライバー・オブ・ザ・デイにも選出された。ファイナルラップには、角田より新しいタイヤを履くメルセデスのルイス・ハミルトンと抜きつ抜かれつのバトルに勝利し、8位入賞となった。 退任する”恩師”フランツ・トスト代表のラストレースで渾身の走りを魅せた角田。2024年はさらなる飛躍を目指す。