「釈明、ねぎらい、発するべきでは」自民当選4回生が公然と首相批判
自民党の津島淳衆院議員(比例東北ブロック、当選4回、茂木派)は20日、麻生太郎副総裁や茂木敏充幹事長らも出席した党の代議士会で、その場にいなかった党総裁の岸田文雄首相を批判した。本会議前に党所属衆院議員の多くが出席する会合での公然の首相批判は極めて異例で、首相に対する党内の不満の高まりを象徴している。 【解説動画】岸田政権、今後どうなる? 自民内でも「退陣要求」、加速する「岸田降ろし」 発言を求めた津島氏が「本来、岸田総裁がこの場に来て、あいさつすべきではないか」と切り出した上で「その機会は過去何回かあった。誰かが言って、そういう場を設けてもらうのではなくて、(首相)自ら(発言を)求めて『みなさんにお話ししたい、釈明したい、様々なご苦労をねぎらいたい』。そういう思いを発するべきではないか」と述べると、「そうだ」と賛同の声が上がり、拍手が起こった。 会合に出席した無派閥の当選4回の議員は「みんなの思いをよく代弁してくれた。地方を回っていたら、どれだけ支援者から厳しいことを言われることか」と語った。 発言後、津島氏は国会内で記者団に「一連の政治改革、政治資金規正法改正案の最終決着を図るプロセス、それにかける思い、多くの人が改正作業に関わったことに対してリーダーとして、総裁として一言思いというものを吐露される場面があってしかるべきだと思ってきた」と説明した。 首相は同日夜、津島氏の発言について「多くの皆さんの協力で一つ一つ乗り越えてきた。今後も様々な意見を聞きながら政治改革は進めなければならない」と記者団に述べるにとどめた。(松山尚幹)
朝日新聞社