緑茶飲料、2024年春は各社が大型リニューアルする異例の事態、市場低迷要因の“どれも飲みやすい”を脱し差別化戦略に転換
〈「アサヒ 颯」発売から1億本突破、一般的な緑茶と異なる香りを武器に“賛否両論”テーマに広告〉
アサヒ飲料は、4月2日から「アサヒ 颯」のパッケージを刷新して発売している。ラインアップは620mlペットボトル他4品(ラベルレス除く)。2023年4月に大型新商品として立ち上げた「アサヒ 颯」ブランドは、年間で約560万箱(約1億2000万本)を販売するなどヒット商品に育っている。2年目となる今年は、販売目標を1000万箱に設定した。今回のリニューアルでは、同商品の特徴である微発酵茶葉を使用した香り高い緑茶であることを強調したパッケージに刷新している。 さらに、4月1日~30日まで30万人の試飲イベントも実施している。全国のショッピングモールやスーパーマーケットなどで、「颯」の香り高くすっきりとした味わいを試してもらうことを目指したもの。合わせて、飲んだ人を対象に、「全国颯選挙」を実施する。これは、SNSでコメントの多い「颯」の賛否両論の声を受けて、「颯」が“緑茶”か“緑茶じゃない”のどちらかに投票するイベント。店頭でQRコードを読み込むと参加でき、リアルタイムで投票結果を確認できるという。
〈「伊右衛門」ブランド本体史上最高レベルの濃さに、コミュニケーションも一新〉
サントリー食品インターナショナルは、3月12日から緑茶「伊右衛門」(本体)の味わい・パッケージを刷新した。ラインアップは600mlペットボトル他4品。本体史上、最高レベルの濃さが特徴だ。茶葉を1.5倍にすることで、茶葉の味わいをしっかり感じられる中味にしたという。さらに、豊かな香りを引き出す抹茶と旨みを引き出す抹茶の2種の石臼挽き抹茶を使用しているが、旨みを引き出す抹茶を3倍に増やし、なめらかなコクを感じられる味わいを目指したという。 同社の担当者はリニューアルについて次のように話す。「物価高が継続し、安さや量などに需要が流れている。その一方で、わかりやすい質の良さを求める消費傾向もあり、濃い味わいのニーズが高まっている。新しい“伊右衛門”は、今できるわれわれの最高傑作だ」。また、「伊右衛門」は、コミュニケーションでイメージキャラクターを俳優の堺雅人さんと古川琴音さんに一新したことも話題となっている。