群馬県でなぜ“はにわ”? 博物館で浮いて回る埴輪に、埴輪の魅力が盛りだくさんの「図鑑」 公式の謎
“全方向”から埴輪の魅力味わって
県立歴史博物館の学芸員・飯田浩光さんによると、博物館の3Dホログラムも「図鑑」も研究のために集めているデータを活用した展示だといいます。 「実物を身近で直接見る機会は限られているうえに、通常の展示だと背中側部分など見えにくい部分もあります。特に人物の埴輪などは、背中側の装飾が特徴的なものもあります。3Dデータをいかしたこの展示方法だと、見たい方向から見ることができるので、ぜひ細かい部分までじっくり見てほしい」 当時の権力者の墓である古墳。その周りを囲うように並べられていた埴輪――。飯田さんは、「埴輪は古墳時代の人々の暮らしや服装、儀礼や社会の様子、そして歴史を知るための大事な手がかりです」と埴輪の魅力を語ります。 群馬県の埴輪について、県の文化振興課の岩田渓佑さんも「種類が豊富で、見た目もかわいいと思える埴輪がたくさんあります。ぜひ、『図鑑』や博物館を入口に埴輪の魅力を発見してほしいです」と呼びかけます。
今秋には東京国立博物館に
今年は、群馬県から出土した挂甲の武人埴輪が国宝に指定されて50周年。10月16日からは、東京・上野の国立博物館で特別展が開かれます。 全国各地から約120点の選りすぐりの至宝が集まり、「挂甲の武人埴輪」も展示されます。 「埴輪王国」の群馬で発掘された埴輪に、会いに行ってみてはいかがでしょうか?