レバノン停戦交渉に進展、ロシアが支援可能=イスラエル外相
[エルサレム/ベイルート 11日 ロイター] - イスラエルのサール外相は11日、レバノン停戦交渉に進展があったと述べた。また、ロシアがイラン支援下にあるレバノンの武装組織ヒズボラの再武装を阻止することで役割を果たす可能性を示唆した。 ただヒズボラ側は、新たな停戦提案は受け取っていないとしている。 サール外相はエルサレムで会見し、ヒズボラとの停戦協議には「一定の進展」が見られるものの、直面している主な課題はその履行にあると指摘。イスラエルは米国と停戦に向けて協力しているとした上で、ヒズボラをイスラエルとの国境から約30キロ離れたリタニ川の北に留め、再武装できないようにすることを望んでいるとした。 いかなる合意においても、ヒズボラがシリアを経由してレバノンに武器を持ち込めないようにすることが基本原則でなければならないとも述べた。また、シリアにおけるロシアの影響力の大きさを指摘し「もし彼ら(ロシア)がこの原則に同意するのであれば、効果的な貢献が望める」とした。 一方、イスラエルのカッツ新国防相は参謀本部と初めて面会し、目標を達成するまで停戦はないと強調。「自らテロを阻止するイスラエルの権利を保証せず、ヒズボラの非武装化とリタニ川以遠への撤退、北部住民の安全な帰還という戦争の目標を達成できないいかなる合意も受け入れない」と述べた。 ロシアはシリア内戦でアサド大統領を支援するため、約10年前にシリアに軍を派遣した。ヒズボラもアサド政権を支援するために戦闘員を送り、 他の親イラン勢力とともに影響力を拡大した。 シリアはイランからヒズボラへの武器供給の主要な経路とみられ、イスラエルは今回の紛争でシリア領内の標的を繰り返し攻撃している。 イスラエル日曜紙「イスラエル・ハヨム」は10日、レバノン停戦案をめぐる外交交渉で大きな進展があったと報じた。この停戦案では、ヒズボラはイスラエル国境付近での軍事的プレゼンスを断つ一方、イスラエル国防軍が国境付近に戻ることになっている。 またイスラエルで最大の発行部数を持つ新聞「イェディオト・アハロノト」は11日、イスラエルとレバノンがバイデン米政権のホックスティーン特使を通じて草案を交換し、最終合意に向けた取り組みが進展していることを示したと報じた。 米国務省は11日、イスラエルのロン・ダーマー戦略問題担当相が同日後刻、ワシントンでブリンケン米国務長官と会談する予定だと発表した。