「秀麗富嶽十二景」四番山頂「笹子峠」からならコンパクト、笹子駅からならヘビーな笹子雁ヶ腹摺山
秀麗富嶽十二景の四番山頂は二番山頂、三番山頂同様に2座名を連ねています。二番、三番山頂がともに南北に峰をつなげているのに対して四番山頂群は東西に並んでいます。山頂からの秀麗富士の見え方も個性あふれるものです。笹子雁ヶ腹摺山は歴史を忍ばせる峠越えが特徴で、滝子山は沢音に包まれながらのロングトレイルとキャラも大きく違います。 【写真】山頂への急登も現れる笹子雁ヶ腹摺山登山コースを見る(全10枚)
登頂の甲斐薄っす! な山頂からの富士山の眺望
標高1358mの笹子雁ヶ腹摺山の山頂から望む富士山は、同じ四番山頂の滝子山(標高1610m)ほどの壮観さには、やや欠けるように感じる人もいるのではないでしょうか。富士山の美しい末広がりは前山に大きく隠れてしまう上に、せっかくの富士山眺望は山頂の木々にちょっとしたおイタをされることに。掲載の写真は冬のものですが、冬枯れの木々ですら微妙に視界に入り込んできます。緑美しい初夏から初秋までの時期には、いかばかり木々の葉が視界に入ってくることになるのやら。 決して広いとは言えない山頂には一脚のベンチが置かれており、休憩には適しています。よりによってそのベンチからの富士山映えを木々が邪魔をします。秀麗富嶽十二景標識を始め、山梨百名山標識、大和十二景標識、大和村標識の4本のブランド標識が打ち据えられている上に、隣に連なる米沢山への案内標識も加わり、標柱標識で大賑わい。その気忙しい山頂から笹子駅方向にわずかに下った先に、メイン写真に採用した木々がかからない絶好の富士山ビューポイントがありました。やはり凛々しさを感じます。
最短の笹子峠登山口ルートからエッジ感溢れる尾根歩き
笹子雁ヶ腹摺山はマイカー派なら旧道笹子隧道脇に駐車スペースがあります。笹子峠登山口からなら山頂までコースタイムで約70分です。ピストンでの下山は約50分。往復で約2時間のコンパクトさで、物足りなさを感じるキャリアのある登山者には、さらに隣の米沢山やお坊山への縦走メニューをこなすこともあるようです。お坊山からの富士山眺望は笹子雁ヶ腹摺山に勝るとも劣らないインスタ映えが期待できます。 駐車場から旧笹子隧道の真上を周り、ほどなくで尾根ルートと新道ルートの二手に分かれます。尾根ルートはエッジ感あふれるアップダウンが続く岩場ルートで、一部には手を使ったほうが無難な場所も。新道ルートは巻道ですが、分岐してすぐに若干不明瞭なところもあり注意が必要かもしれません。ただ尾根ルートとは違って比較的フラットに進むことができます。 一方、公共交通機関を利用してのピークハントは、JR中央本線大月駅からバスで新中橋バス停下車で、バス停目の前からの山頂直行ルートか、終点の新田から笹子の旧道を伝って矢立の杉経由ルートになります。 直行ルートはなかなかのヘビーな急登で、山頂直下の斜度は休憩を交えての制覇となります。矢立の杉経由のルートは沢伝いの穏やかで静かな登山道を辿り、笹子峠登山口から山頂を目指すロングコースです。
ソトラバ編集部