本郷和人「無礼講の大宴会」でアヤシイ関係が露呈した道長とまひろ。一方、史実では禁止令を出すほど<宴会嫌い>だった一条天皇に対して道長は…
大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。9月22日の第36話「待ち望まれた日」では、一条天皇(塩野瑛久さん)の中宮・彰子(見上愛さん)がついに懐妊。宮中が色めきだつ中、まひろは彰子から、天皇に対する胸の内を明かされて――といった話が放送されました。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるシーンを解説するのが本連載。今回は「平安時代の宴会」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし! 次回の『光る君へ』あらすじ。中宮・彰子の出産にまひろと道長は喜びを分かち合うが、二人の親密さは宮中の噂に…皇位継承を巡る不穏な気配の中、内裏では事件が<ネタバレあり> * * * * * * * ◆「無礼講」と宴を開催した道長だが… さて前回、中宮彰子が敦成親王を出産しました。さらに誕生50日目を無事に迎えられたことから、お食い初めの祝いが開催されることに。 その晩に開催された宴にて、道長は集まった貴族たちへ「無礼講ゆえ、みなみな、心ゆくまで楽しんでくれ。いくらでも酔ってくれ」と伝えます。 そして貴族たちが飲んだり、女房へちょっかいを出したりするなか、道長はまひろに歌を詠むように命じます。 対して道長も息ピッタリの様子で歌を詠んだことから、二人に何かあるのでは、と周囲に感じさせたところでドラマは幕を閉じました。 しかも歌を詠みあったのはいろいろと鋭い正妻・倫子の前。 はたしてこの先、二人は無事でいられるのでしょうか…。
◆平安貴族は「焼尾荒鎮」が大好きだった さて、話は変わって「焼尾荒鎮(しょうびこうちん)」という言葉をご存じでしょうか。 四字熟語というわけではなく、焼尾でも荒鎮でも焼尾荒鎮でも意味は同じ。「宴会」のことを指します。 ただしお行儀の良い食事会というより、飲めや歌えの大宴会を指すよう。 おじさん世代が大好きだった、杯盤狼藉というか、アルハラ系のやつですね。そして平安貴族たちはこれが大好きだったようです。
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