【独占】今日2冠挑戦!総合格闘家・堀口恭司がUFC挫折を味わった米国金網へ挑戦する理由とは?
RIZIN初代バンタム級王者の堀口恭司(28、ATT)が日本時間15日、米国ニューヨークの“格闘技殿堂”マジソン・スクエアガーデンで行われる「Bellator 222」でベラトール世界バンタム級王者のダリオン・コールドウェル(31)へ挑戦する。堀口は勝てば“2冠”となる。大晦日の「RIZIN.14」の再戦で、前試合では堀口が3ラウンド1分13秒にフロントチョークで勝っている。敵地でリベンジを買って出た堀口の実像に迫った。
挫折を味わった米国の金網
格闘家のごたぶんにもれず潰れた耳。分厚い胸板。柔和な笑顔の裏に迫力が隠れている。 怖い。その男狂暴につきーーである。 この人が前から歩いてくると自然と道を開けるだろう。最近では帰国した際に電車に乗っていると避けられるどころか、若者にみつけられ、握手や写メ攻めにあって大変らしいが、堀口は、現在の日本の格闘界のカリスマになりつつある。 1年のほとんどをアメリカで過ごす。 世界最高峰の格闘技団体「UFC」に多くの選手を輩出しているアメリカントップチームのフロリダにある本拠地での合宿生活である。 「1年のうち半分以上はここにいますね」 1階がジムで2階に寝泊まりのできる合宿所があり、堀口は、そこで生活している。 「ジムと2階の行き来だね。たまに息抜きに釣り(笑)」 ブラジルなど海外から来ている選手が多いための寮施設で通常は2人部屋だが、堀口には特別に一人部屋が与えられている。朝はランニング、カリキュラムにもとづいた午前中の技術練習を終えると、ランチをとり再び午後のトレーニング。それが終わるといきつけのビュッフェスタイルのブラジル料理店で「肉」「米」「野菜」に豆料理をたんと胃袋に流しこんで、寮の部屋へ帰り、好きなルアーフィッシングのユーチューブ映像を見て就寝。もちろん酒もやらない。ライフ・イズ・MMAである。 ジムには、ボクシング、キック、レスリング、寝技、フィジカルなど、それぞれの専門家コーチがいて綿密に組まれたカリキュラムに沿って練習をこなす。現代版の“虎の穴”だ。 そういう格闘技漬けの生活も4年目になる。 「楽しい。夢中になれることがある。いまそれに懸けている」 日々、格闘家としての成長を求めている。 「技術です。強くなるためには、どうすればいいのか。コーチに聞き、自分の体で試しながら、毎日、研究をしている」 それはプロとして重要な時間だという。 ボクシングの無敗の元5階級王者、フロイド・メイウェザー・ジュニア(42、米国)対那須川天心(20、TARGET/Cygames)が話題を独占した大晦日の「RIZIN.14」のセミファイナルで米国ではUFCに次ぐ格闘技団体であるベラトールのバンタム級王者、コールドウェルと対戦。白熱の攻防を制して“大会MVP”とも言える勝利を収めた。テイクダウンをとられグラウンドで攻め込まれたが、ギロチンチョークでの逆転勝利である。 「(逆転のギロチンチョークは)狙っていましたけどね。まわりが、やばいんじゃないの、と思ったかも(笑)これを続けてもっと面白さを伝えられればいい」 今回は敵地の円形金網に乗り込んでのリマッチ。コールドウェルは、前回負けた後にRIZINのロープが張られた四角いリングが不利に働いたと主張していたが、堀口は「またやってやろう!と思うだけ。そんなの関係ない」と気にもしていない。 「ニューヨークだと世界中の人が見てくれると思う。そこは嬉しい」 マンハッタンで公開スパーを行い、現地時間13日には無事に前日計量を60.9キロでクリアした。