官民連携で子育て支援 奄美市 6事業者、新サービス創出
鹿児島県奄美市は今年度から、子育て世帯の困り事をなくすことを目的とした「子ども・子育て応援民間トライアル事業」を実施している。一次応募で採択した3事業所に続き、今月には二次応募で新たに3事業者を採択。計6事業者は年度末にかけ、順次キッズスペース運営や出張型イベントなどを運営し、官民連携した子育て世帯支援を進める方針だ。 市が2023年度に実施した子ども・子育てアンケートでは、子育ての困った課題に▽雨の日や炎天下での遊び場がない▽子育て中のパパ・ママの孤立化▽官民問わず子育てサービスの認知度不足―が浮き彫りとなった。これらの子育て課題の解決に向け、民間活力の活用による新たな子育てサービス創出を応援することを目的に同事業を創設した。 同事業では、子育て世帯の出掛け先づくりや親子で過ごすサービスづくりの取り組みに加え、これらのサービスの広告宣伝にかかる経費の一部を助成する。事業採択者は今月から、順次キッズスペースや市公共施設を利用した出張型イベントなどのサービスを提供していく。 10日は奄美市名瀬のAiAiひろばで、事業採択者を対象にした補助金活用に関する説明会、交流会があった。採択者は自己紹介や名刺交換を行い、互いに連携した事業展開について意見交換。その後、6日に開所したsisi(岡江靖乃代表取締役)が中央通りアーケードで運営する「やっちゃんち@キッズスペース」を見学し、充実した子育てサービスの提供へ気持ちを新たにした。 事業を活用し、公共施設で親子で一緒に楽しめる憩いの場を提供する「SUMOMO to KI」のベビーマッサージ講師・重菊乃さん(45)は「親子の居場所を地域に設けることで、子育て世代が交流するきっかけになり、子育てがしやすくなる奄美市になれば」と話した。 市重点政策推進監は「今回の事業採択者の取り組みだけでなく、市の公共施設で子育て世代が使えるような事業も検討している。民間活力を使いながら、包括的に子育て支援を進めたい」としている。