やっぱり小さなFRがお望み? BMW 1シリーズ(2代目) 多彩なエンジンも魅力 UK中古車ガイド
強力で高効率、多彩なパワートレイン
2011年に登場した2代目、F20型BMW 1シリーズは、英国では好調に売れた。販売数ランキングで、上位の常連といえたほど。人気を維持させるべく、2015年に大幅なフェイスリフトが施されている。 【写真】多彩なエンジンも魅力 BMW 1シリーズ(2代目) 現行の3代目とSUVのX1も (107枚) 「実用性には妥協があり、内装の品質は可否が混在。しかし、息を呑むような後輪駆動の操縦性」。と、当時のAUTOCARは後期型1シリーズを評価した。 「実用性やバランスに優れた走りを望むなら、アウディA3やフォルクスワーゲン・ゴルフを選んだ方がベター。反面、楽しい操縦性を最重視するなら1シリーズ。ただし、それ以上の魅力があります」。と、さらに続けている。 2代目1シリーズの魅力といえたのが、強力で高効率、多彩なパワートレイン。2015年のフェイスリフト後には、1.5L 3気筒ディーゼルターボが英国仕様へ登場。115psと 24.1km/Lを両立させていた。 さらに訴求力で勝ったのが、2.0L 4気筒ディーゼルターボ。118dでは149ps、120dでは189ps、125dでは224psを発揮した。だが、いずれも有能なユニットながら、支持を集めたのはガソリンエンジンだった。 118iには、136psの1.5L 3気筒ターボを搭載。120iには183ps、125iには224psの2.0L 4気筒ターボが載った。スポーティなM135iには3.0L直列6気筒ターボが積まれ、326psを発揮。2016年にM140iへバトンタッチし、340psへ強化されている。 トランスミッションは、8速オートマティックが主力。6速MTも選べた。2018年に、120iとM140iへ8速ステップトロニック・スポーツATが採用されている。英国仕様の120dでは、四輪駆動も指定できた。
車内空間はフロントシート側なら不満なし
ひと癖あった1シリーズの見た目だが、2015年のフェイスリフトを経て、好ましい印象を受けた人は増えたはず。面処理はシンプルになり、キドニーグリルが大きくなり、ヘッドライトは一般的な形状に。リアにはLEDのテールライトが与えられた。 インテリアは、若干造形が複雑。素材や製造品質は高水準で、華やかでスポーティに感じるともいえる。こちらも、フェイスリフトで僅かに手が加えられた。 トリムグレードはベースがSEで、肉厚なタイヤとサスペンションを備え、快適性重視のドライバーにオススメ。スポーツでは、扁平率の低いランフラットタイヤに、スポーツシートが組まれる。 Mスポーツにはスポーツサスペンション、Mスポーツ・プラスにはアップグレード・ブレーキと高音質なサウンドシステムが追加される。装備はいずれも充実し、iドライブ・インフォテインメント・システムが標準。これは、2017年にアップデートされた。 車内空間は、フロントシート側なら不満なし。リアシート側は、身長の高い大人には多少窮屈かもしれない。FRが故に、中央には大きなトランスミッション・トンネルが伸びている。 荷室はライバルより狭めながら、360Lとまずまず。リアシートの背もたれは倒せる。 同クラスの中では、多少の妥協が否めなかった2代目1シリーズ。しかし、豪快なホットハッチのM140iから、適度にスポーティな120i、燃費重視の118dまで幅広い選択肢が用意され、今でも充分な魅力を感じさせる。実用性には、少し目を瞑って欲しい。