東出昌大「『なるようにしかなんねぇ』で“大人”をやっているだけ」。就活生に求められる「信念」を、面接官は果たして持ち合わせているのか?
東出昌大が応える人生相談連載「赤信号を渡ってしまう夜に」。価値観が流動化し対話が難しくなった現代。この連載では、「こんな時代だからこそ、もっと話したほうがいい」と語る東出が、読者のお悩みに応答している。 【画像】解体のため、大きなイノシシを運ぶ東出 諸事情で久々の更新となったが、この間に東出は結婚を発表した。それからすでに数カ月経った今の心境をまずは尋ねてみた。記事後半では本題の人生相談へ。就活に悩む若者に、大人の実像を明かしながら、肩の力を抜くことを勧める。
結婚しても浮かれずコツコツと
──ずいぶんと連載が空いてしまいました。この取材は、ご結婚を発表されてから初めてなんですよ。 東出 そうでしたか。 ──改めて、おめでとうございます。今の心境を少し聞いてもいいですか。 東出 いいですよ。ちょうどこの取材の2日後(11月30日)に役所に婚姻届を出すんです。発表はだいぶ前でしたけど、私の舞台の準備や本番でちょっと忙しかったから、このタイミングになりました。 ──お子さんも生まれるということで、楽しみです。 東出 楽しみですけど、まあ何があるかわかんないから。猟師の先輩とも話すんですよ、子どもが生まれるっていうのは容易なことではないですよねって。妊娠・出産って一大事だから、楽しみにしつつも、あんまり浮かれすぎず、日々コツコツと生きております。 ──最近でいうと文芸誌『GOAT』(小学館)で、小説家の小池真理子さんと対談されていました。そこで、結婚というのは二人の間の誓いというより、社会に対する態度表明なんだと話されていましたね。結婚は二人を縛り合う契約ではないと。 東出 そうですね。だから今回は式もやらないんです。神の前で一生の愛を誓うことも別にしないし、みんなの前で催しもしない。それは人生どうなるかわからないから。でも決してネガティブな意味ではなくて。人間の気持ちは、状況によっては変化するのが自然だから、わざわざ永遠の愛を宣言する必要もないだろうと。 もちろん結婚はしたいからするし、今のところすごく幸せです。でもだからといって肩肘張って「こうならねば」みたいな目標は掲げすぎないように、僕ら自身、心がけてる部分もあります。 ──なるほど。 東出 あと僕らの仕事って特殊で、何か言いたくなる人が出てくるのは仕方ない。なので、言いたい人には言っといてもろて、っていう感じです。僕らはマイペースに田舎で普通に過ごしていくだけかなと思います。 僕の話はこんなところでどうでしょう。前回からだいぶ空いちゃったので、お便りも溜まってるでしょうから、早くやりましょう。