老眼や目の疲れ対策に「黒米と黒豆、ほうれん草のお粥」【身近な食材だけの簡単「薬膳」で不調を改善!⑩】
近くのものが見えにくくなる老眼、ピントが合いにくくなった、目が疲れるなどの目の不調は、40歳を過ぎた頃から自覚しやすくなる。そんなときに助けになる食材や料理はあるのだろうか? 薬膳料理研究家の谷口ももよさんに聞いた。
目の衰えには黒い食材で「肝血(かんけつ)」を補う!
近くのものを見てから遠くに視線を移すと、すぐにピントが合わない、近くが見えにくくなったということはないだろうか? それは老眼の始まりかも!? 「薬膳ではこうした老化現象は、『肝(かん)』の血である『肝血』の不足、そして生命エネルギーを司る『腎(じん)』の衰えと考えます。このふたつが弱ることを『肝腎陰虚(かんじんいんきょ)』といいます。そんな肝腎陰虚には黒い食材がおすすめです。 黒い食材の中でも、今回は黒米と黒豆をセレクト。これらを白米に混ぜコトコト煮て、体に優しいお粥に仕上げました。 黒米や黒豆、黒ごまの黒い色はポリフェノールの一種であるアントシアニンです。アントシアニンには抗酸化作用があり、老化防止や目のトラブルに役立つことで知られています。薬膳では肝血を補い、腎の働きを助け、老化現象とされる老眼や白髪などによいとされています。 具には、さらに血を補充し、巡りをよくするほうれん草をプラス。 豆は長い時間浸水する必要があることで敬遠されがちですが、黒豆は事前によく炒っておくと、浸水の必要がなくすぐに使えます。炒った黒豆は密閉容器に入れて、常温で1カ月保存できます」(谷口ももよさん) 黒米は白米と一緒に炊くと、紫色のご飯に仕上がる。そこに鮮やかなほうれん草のグリーンで彩りを添えた、滋養たっぷりのお粥に!
【薬膳ポイント】 ●黒米 別名、古代米、長寿米とも呼ばれ、日本のお米のルーツといわれている。白米よりも体内の活性酸素を除去する効果が高く、毛細血管を強くして血流を促すことから、老眼や眼精疲労の改善によいとされている。消化器の健康を保ち、食欲増進や下痢止めの効果も。 ●黒豆 ポリフェノールの一種である天然色素アントシアニンが豊富で、抗酸化作用があるのでアンチエイジング効果が期待でき、老眼や白髪の予防におすすめ。ほかに利尿作用があり、血流を促すので、むくみ、耳鳴り、月経不順などにも。料理に使うほか、黒豆茶にしても手軽でおいしい。 ●黒ごま 血を補い、ホルモンバランスを司る「腎」の働きを助け、体を潤してくれるため、目の疲労をやわらげる働きがある。 ◆黒米と黒豆、ほうれん草のお粥(2人分) 黒豆大さじ2~3は前もってしっかり炒っておく。もしくは水に1日浸す。鍋に黒豆、洗った白米1/2合、黒米大さじ2、黒ごま大さじ1、水600㎖を入れ、40分ほどコトコトと弱火で煮る。炊飯器を使う場合は、同材料をすべて入れてお粥モードで炊く。 ほうれん草1/2把はさっとゆでて水気をきり、食べやすく刻む。 炊き上がったお粥を器によそい、ほうれん草をのせ、好みで塩を加えながら食べる。 「鍋で炊くのが面倒な場合は、炊飯器のお粥モードでもOK。ほうれん草の代わりに、にんじんやかぼちゃでもいいでしょう。いずれも、食べやすく切ってゆでて最後にのせます」