篠原涼子×首藤康之、行定勲の追求する“究極のラブストーリー”に挑む「見知らぬ女の手紙」
篠原涼子と首藤康之の出演、行定勲の翻案・演出による「紀伊國屋ホール開場60周年記念公演『見知らぬ女の手紙』」が、12月25日から28日まで東京・紀伊國屋ホールで上演される。 【動画】紀伊國屋ホール開場60周年記念公演「見知らぬ女の手紙」動画(他2件) 「見知らぬ女の手紙」は、シュテファン・ツヴァイクの小説を原作にした作品。作中では、著名なピアニストである“男”の元に届いた、名も知らぬ“女”からの手紙を巡る物語が展開する。その手紙には、その“女”の12歳から28歳の現在まで続く“男”への思慕と、自身の人生がつづられていて……。今回は、紀伊國屋ホール開場60周年記念公演のラストを飾る作品として上演され、篠原が“女”を語りで、首藤が“男”を踊りで演じる。 行定、篠原、首藤がタッグを組むのは、今回が初めてのこと。上演に向け、行定は「私が長年追及している“究極のラブストーリー”を、生身の空気の中で感じていただくべくこの作品を作りたいと思っています。このお二人でないと成しえない濃密な時間が体験できると思いますので、ぜひとも劇場に足をお運びください」とコメント。 篠原は「久しぶりの舞台で緊張していますが、皆様に納得していただけるような作品にできるよう頑張りますので、どうぞ見守っていただけたらと思います。恋愛物語にはなるのですが、ホラー的な要素もあり、それらをうまく表現できるように皆さまに『観てよかった!』『すごかった!』と思っていただけるように今から練習して参りたいと思います。お楽しみに」と述べ、首藤は「僕の役割は、篠原さんが読むピアニストである“男”宛の手紙を聞きながら、彼女の苦悩や切実な思いを身体で表現できればいいなと思っています。あくまでもそれは彼女の感情であって、手紙を受け取った相手である僕=“男”自身の感情ではないので、それをどう表現するのか、行定さんや篠原さんと稽古で作っていくのが今から楽しみです」と語った。 チケットの一般販売は10月12日にスタート。 ■ 行定勲コメント ドイツ文学の最高峰であるシュテファン・ツヴァイクの短編集「アモク」いう作品の中の一片を原作にしています。 「アモク」とは風土病の一種なのですが、そこからヒントを得て、彼はある種の熱に侵された人物像を生み出しました。古典的な作品で、人間のぶつかり合いから生まれる葛藤や恋情がとても狂おしく描かれた小説であり私が魅了された作品です。死を前に手紙を書いた女と、その手紙を受け取った男。二人を同じ空間の中に存在させ、触れたり、すれ違ったりさせながら、言葉と肉体でそれぞれが、そこに湧き上がる衝動で表現することは、原作にある人間の根源的な感情を追求できると思っています。 ご出演いただく篠原さんと首藤さんは、一度は仕事をしてみたい!と思わせてくれていた方々で、篠原さんは過去に何度もアプローチしたかった作品があったものの実現できず、自分の中では消化不良なところもあって、遂に今回ご一緒出来ることがとても嬉しいです。少女性と大人の色気が共存している方だと思うので、ツヴァイクの作品にとてもあっていると思います。首藤(康之)さんが出演された、「空白に落ちた男」という舞台が僕は大好きで、目や指先の繊細な動きひとつ見逃せない、ただ佇んでいるだけでも絵になる方だと思っていました。日本人離れした存在感があって、一度映像で撮ってみたいと思っていたので、まずは今回、舞台でご一緒出来ることを嬉しく思っています。お二人がこれまでに積み重ねられた表現がぶつかり合って、どんなものが生まれるのか、このお二人とどういう風に具現化されていくのか僕自身楽しみです。 私が長年追及している“究極のラブストーリー”を、生身の空気の中で感じていただくべくこの作品を作りたいと思っています。 このお二人でないと成しえない濃密な時間が体験できると思いますので、ぜひとも劇場に足をお運びください。 ■ 篠原涼子コメント ある女性の生涯を手紙に綴ったという内容の台本を読んだ時に、一人の人物を永遠に愛し続ける魂に共感する部分もありながらも、ただすごいなとビックリしました。愛なのか、それとも恋なのか、狂気なのか……それがすごく面白そうな作品だなと感じたのです。芸能のお仕事では表現をしなければならないことがたくさんあるので、日常のいろんな感情であったり思いやりだったりは、ないよりもたくさんあった方がいいと思いますし、年齢を重ねてもピュアな気持ちは大切にとっておいた方がいいのかなと思いました。この台本を読ませていただいた時は、自分に置き換えてそうした日常的な思いやりや人を好きになる気持ちはとても大切なものなんだなと、女性として思いました。 舞台はさほど経験がないのですが、勉強になるのでずいぶん前から挑戦したいと思っていました。映像では他の技術でフォローしてもらえる部分も、舞台では声の出し方も違えば、全体を見られてしまうので、かなりの自信を持たないといけないと思っていました。いろいろな作品を観劇させていただく中では、自分だったらどういう風にやるかな?とか、素晴らしい方々の芝居を観ていくうちに自分もあそこに立ちたいという気持ちが芽生えて、もっと舞台をやっておけばよかった!と思っていたので、このお話をいただいた時には即答で、「やらせてください!」とお答えしていました。 行定(勲)さんの作品を拝見させていただいていたのですが、すごく興味があって、いつかご一緒させていただきたいと思っていて、やっとお話しが来た!と嬉しかったので、がっかりさせないように一生懸命頑張って挑みたいと思います。 久しぶりの舞台で緊張していますが、皆様に納得していただけるような作品にできるよう頑張りますので、どうぞ見守っていただけたらと思います。恋愛物語にはなるのですが、ホラー的な要素もあり、それらをうまく表現できるように皆さまに「観てよかった!」「すごかった!」と思っていただけるように今から練習して参りたいと思います。お楽しみに。 ■ 首藤康之コメント 最初に台本を読んだときは、この女性の情念がひたすら怖い!と思いましたが、読み解いていくうちに、ツヴァイクの言葉の魔法もあり、彼女のひたむきさや切実な思いに美しさを感じていきました。もしも自分が彼女の立場だったら、相手には伝えず、手紙も書かずに、自分の中で消化して、ひたすら一人で苦しむような気がします。ただ、相手に対する思いはとても自然なもので、過剰に描かれてはいますが、愛するがゆえにいろいろ想像してしまい、妄想が膨らんでしまうことは誰しもあることなので、その心情は共感できる部分はあります。 僕の役割は、篠原さんが読むピアニストである“男”宛の手紙を聞きながら、彼女の苦悩や切実な思いを身体で表現できればいいなと思っています。あくまでもそれは彼女の感情であって、手紙を受け取った相手である僕=“男”自身の感情ではないので、それをどう表現するのか、行定さんや篠原さんと稽古で作っていくのが今から楽しみです。 行定さんとは初めてご一緒するので、よきように調理していただければと思っています。 ■ 紀伊國屋ホール開場60周年記念公演「見知らぬ女の手紙」 2024年12月25日(水)~2024年12月28日(土) 東京都 紀伊國屋ホール □ スタッフ 原作:シュテファン・ツヴァイク 翻案・演出:行定勲 ステージング:首藤康之 □ 出演 篠原涼子 / 首藤康之 ※U-25チケットあり。