お城は“実体験を通じて触れることができる歴史”!一緒に楽しむことが知識を身につける鍵!?【お城好き気象予報士・久保井朝美さんにインタビュー】
NHK総合『サタデーウオッチ9』をはじめ、気象予報士としても大活躍中の久保井朝美さんには、“もう一つ”の顔が…。それこそが「お城マニア」だ!日本城郭検定2級を保有し、NHK総合『日本最強の城スペシャル』やお城好きが多数集まる祭典『お城EXPO』イベントなどへの登壇歴もあるほど、無類のお城好き。好きを突き詰めている中で、今年の2月に自身の初の著書『城好き気象予報士とめぐる名城37 天気が変えた戦国・近世の城』を出版。そんな久保井さんにお城好きになった経緯やこれまでのご経歴をインタビュー。“探求することを、もっと好きになってほしい”と願う歴史人Kidsファミリー必見です! ― 久保井さんが歴史好きになったきっかけは何でしたか? 色々なお城に行ったことです! 城内にある案内板を読んだり、ボランティアガイドの方からお話を伺ったりして、お城にまつわる歴史から興味(きょうみ)を持ち始めたと思います。 お城は何百年も前の歴史を味わうことができる場所です。 お城に行くと歴史に触れることになるので、お城を巡(めぐ)るうちに、気づけば歴史も好きになっていきました。 ― 「お城に行こう!」と思ったのはどうしてだったのですか? 私は、名古屋城三の丸跡地にある病院で生まれて、愛知県の岡崎城の城下町で育ちました。岡崎城は、徳川家康が生まれたお城です。 ということで、生まれた頃からお城がとても身近な存在でした。“わざわざお城に行く”というより、生活の一部にお城があったのです。学校の写生会で行ったり、遠足で行ったりもしました。 もし近所にお城がなかったとしても、名古屋市に行ったら名古屋城、大阪市に行ったら大坂城など日本各地にお城は存在しています。なんと、お城は日本全国に数万もあるといわれているのです。身近で行きやすい場所にもあるので、家族旅行に行った時には「とりあえずお城に行っておこう!」としてみるのも良いのではないかと思います。 ― 合格率は約5%といわれる気象予報士、目指したきっかけを教えてください! 実は昨日も比叡山(ひえいざん)に行ってきたのですが、父親の趣味(しゅみ)が登山で、子どもの頃から一緒に山に登っていました。 山は天気が変わりやすく、外でのレジャーなので天気がとても大切というところからも興味をもつことになりました。 もう一つは長野県でアナウンサーをしていた時の経験からです。 アナウンサーとして、はじめて経験したお仕事が天気を伝えることでした。 長野県は“農業県”なので、地元の皆さまの天気予報への関心がとても高かったんです。 「台風が来そうだから早めに収穫(しゅうかく)をしなくてはいけない」とか、「暖冬(だんとう)だと生育が早まるのでそれに対策をしなくてはいけない」とか。収入に直接影響があるので、天気予報への関心がさらに高い地域だったのだと思います。 長野県は面積が広く、山がたくさんあります。地図で見ると近くても天気が全然違うということに触れて、『おもしろい!』と思うようになりました。 それと、実は私の誕生日は「空の日」なんです! このように、いろいろな“視点”が合わさって、天気の世界に興味をもちました。 ― では、さらに深堀をして、アナウンサーを目指したきっかけは何だったのですか? お城好き、歴史好きな学生だったので、歴史の授業が大好きでした。 高校生の時、歴史の先生が「アナウンサーとか向いているんじゃない?」といってくれた言葉が、頭の片隅(かたすみ)にありました。 就職活動をする時にその言葉を思い出してアナウンサーを目指しました。 長野県で就職をしたいと思ったのも、松本城が好きでよく通っていたからでした! 縁を感じられる場所がいいなと思いこの地を選びました。 ― 歴史はどうしても『難しい』という印象をもたれがちです。 久保井さんが「歴史知識が身についた!」と感じる瞬間はどんな時ですか? 実際に現地を訪れて目の当たりにした時です。 歴史は好きなので、他のことよりもよく覚えていると思うのですが、座学だけだと身につきづらいです。 仮説を立てて、実際に足を運んで「やっぱりそうだった!」や「え!?そうなのか」など気づきを得ると、生きた知識としてしっかり脳裏(のうり)に刻(きざ)まれると思います。ただ覚えるのではなく、自分で考え、感じることが大切なのではないでしょうか。 私は歴史を学ぶときは、一問一答のようなかたちではなく、繋がりを大切にストーリーとして捉えるようにしています。 さらに、経験したことを誰かに伝えることで深まります! 私は父親とお城巡りに行ったり、お城好きな友達とおしゃべりしたりしているのですが、誰かと一緒に楽しむことってとても大切だと思っています。 お城は歴史に触れられるテーマパークです。 これほど、実体験を通じて歴史を知ることができるものって他にはなかなかないのではないかと思います。 鉄砲(てっぽう)や弓矢で攻撃(こうげき)するための穴(狭間・さま)が壁や塀に空いていたり、敵を誘(さそ)い込んで一斉攻撃するための罠があったり・・・お城に行くときは攻める気持ち、帰るときは守る気持ちでのぞむと、よりリアルに感じられますよ! 次回は、久保井さんが「推したいお城TOP3」をお届けします、お楽しみに!
歴史人Kids編集部