ロッテ鳥谷敬が三塁&四球で開幕1軍へ第二段階クリア!日替わり守備位置交代の突貫調整にも「疲れ?全然」
ロッテの鳥谷敬(38)が18日、埼玉のロッテ浦和球場で行われた巨人2軍との練習試合に「3番・三塁」でスタメン出場、2打数ノーヒットだったが、一度しかなかった守備機会を無難にこなし、最初の打席では”代名詞”でもある四球を選んだ。これで、第二段階をクリア。今日19日には二塁を守る予定で、20日からの楽天3連戦では、4打席立ち、このまま調整が順調に進めば、24日にも1軍合流する可能性が見えてきた。
安定した三塁守備を披露
「三番、サード、鳥谷」 無観客のスタンドにアナウンスが響く。鳥谷にとって、三塁は、2017年にゴールデングラブ賞を獲得しているポジションだが、昨年は一度も守っていない。鳥谷は、巨人の左打者、右打者、走者のいるいないを見極めながら、1球、1球、ポジションを変えながら、三塁の感覚を取り戻すために、タイミングを合わせていた。 3回一死一塁だった。湯浅の詰まった打球が三遊間へ。左手を伸ばしてシングルキャッチした鳥谷は、冷静に走者の動きを見て、併殺をあきらめ一塁で刺した。この日、飛んできたのは、この一球だけだが、安定した動きとスローイングだった。 試合後、鳥谷は、「打球は1球しか飛んでこなかったのでなんとも言えない。今後、試合の中で色々とやっていけたらいい」と口にした。1年やっていないポジションだが、すぐに感覚が戻ってくる手ごたえはあったのか? そう聞くと「打球は、1球、1球違う。すぐに(感覚が)戻るかどうかはわからない。元々、感覚があって(三塁を)やっていたわけじゃない(笑)」との回答。 感覚イコールセンスの意味で鳥谷は答えたのだろうが、これは謙遜。阪神時代の鳥谷は、強引に世代交代を推し進めた金本知憲監督の方針から、ショートに若手の北條が抜擢されたことで、2016年の9月から、ほぼぶっつけ本番で三塁を守ることになり、2017年には、開幕から三塁で出場し、その年、三塁で球宴に選ばれ、ゴールデングラブ賞を取った。だが、その2017年のキャンプも、チーム方針から一度も三塁のポジションでノックを受けず、オープン戦になってから大慌てで三塁に本格コンバートされたものだった。 ショートと三塁の決定的な違いは、打者との距離が近く、打球の種類が多種多様に渡ること。打球は速いし、詰まった打球や、ひっかけた打球など、飛んでくる打球の回転数や質も厄介なものになる。また打球を止めて前に落とすだけでアウトにできるケースもあれば、走者の走力によっては、ひとつのお手玉が命取りになるケースもある。また一塁へのスローイングの際の投げる角度もショートとは変わる。ショート、二塁のような広い守備範囲は求められず、瞬発力勝負のポジションのため、一歩目がさらに重要になる。 それをブランクを感じさせることもなく、いとも簡単に打球をさばくのだから「感覚がない」とは言えないだろう。守備力は、やはり一流。そして肩に自信があるのか、守っている位置も、巨人の三塁を守った田中俊に比べて2歩ほど後ろだった。