ロマンス詐欺の被害急増「危機的状況」 出合い求める人を守るため「婚活マスター」と警察がタッグ
交流サイト(SNS)を通じて恋愛感情を抱かせて金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」の被害が京都府内で急増する中、婚活を支援する「きょうと婚活応援センター」(京都市中京区)が府警と連携して、被害防止に向けた取り組みを始めた。出会いを求める人たちに新たな詐欺の動向や手口を伝え、安心して活動できる環境を整える。 【画像】弁護士も共謀…ロマンス詐欺で「二次被害」 府警によると、府内のロマンス詐欺は今年36件(8月末)、約5億9千万円の被害が出ている。既に昨年1年間の被害(12件、約1億2600万円)を大きく上回り、「危機的状況で対策が急務」(府警幹部)という。 出会いを求める男女が利用する民間のマッチングアプリをきっかけに被害に遭う人も多い。このため、府が開設する同センターと府警が今秋、注意を呼びかけようと連携を始めた。 9月下旬、京都市上京区の府警本部で開かれた初会合では、センターで男女の出会いを支援するボランティア(婚活マスター)らに向けた研修を行った。府警の担当者が被害の状況や犯行手口を紹介し、「直接会ったことがない人からの渡航費請求や投資話は詐欺」と被害防止に向けたポイントを解説した。 センターでは婚活マスターが利用者の面談時や婚活イベントなどで注意喚起する。詐欺を見抜くチェック項目をまとめたちらしも作成したほか、ホームページやSNSを通じ、最新の被害状況や注意すべき点も発信していくという。 研修に参加した婚活マスターの西村真奈美さん(65)は「これほど多額の被害が出ていることは知らなかった。SNSを通じた恋愛話に注意を呼びかけることと合わせ、対面で安心した出会いの場を提供しているセンターの良さも知ってもらいたい」と話した。