"またトラ"最大の懸念は「日本人の命」…動き読めぬトランプの"さじ加減"で日本が紛争に巻き込まれる恐怖
■安全保障面でも懸念 安全保障の問題も大きな懸念材料です。トランプ氏はウクライナへの支援の削減を以前から表明していますが、これは当然ロシアに有利に働きます。また、親密な同盟国であるイスラエルがからむ複雑な中東情勢の対応にも迫られます。 そうした中、日本に最も大きな影響を及ぼすのは台湾問題です。中国は台湾へのプレッシャーを強めていますが、トランプ政権になり台湾への関心や関与がバイデン政権より落ちることとなれば、中国がさらに台湾への関わりを強める、場合によっては統一を早急に進める可能性もあります。 そうした場合に、日本も紛争に巻き込まれる可能性も否定できません。北朝鮮の問題も同様です。 米国の関与が減れば、パワーバランスが変わり、日本の対応も変わらざるを得なくなる可能性もあります。もし、紛争が起これば日本の政治、経済にも少なからぬ影響があることは容易に想像できます。 いずれにしても、トランプの今後の発言や新政権の具体的政策に注目です。 ---------- 小宮 一慶(こみや・かずよし) 小宮コンサルタンツ会長CEO 京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学、東京銀行などを経て独立。『小宮一慶の「日経新聞」深読み講座2020年版』など著書多数。 ----------
小宮コンサルタンツ会長CEO 小宮 一慶