強力打線で九州大会制覇 沖縄尚学、3度目V狙う センバツ出場校紹介
沖縄尚学は9年ぶり7回目の出場を決めた。地元・沖縄で開かれた昨秋の九州大会では、勝負強さを発揮して9年ぶりの優勝を果たした。一番の強みは、昨秋の公式戦で出場校中トップのチーム打率4割7厘を記録した強力打線だ。
エース東恩納が投打の中心
昨秋の公式戦では、10試合中9試合で2桁安打を放った強打が光った。打率6割7分5厘と大活躍した1番の知花慎之助が出塁し、中軸が還すスタイルが確立された。九州大会準決勝の海星戦では1点を追う九回、知花が安打で出塁。最後は1死満塁から5番・東恩納蒼の2点適時打でサヨナラ勝ちを収めた。主に3番を担った仲田侑仁は19打点をマークするなど好機に強い。 強打が目立つが、九州大会ではチームが掲げる「守りからリズムを作る」という野球ができていた。4試合で失策はわずか2と投手陣をもり立てた。
エース右腕の東恩納は登板した9試合中5試合で完投した。最速145キロの直球にスライダー、チェンジアップなどを巧みに操り、九州大会1回戦の鳥栖(佐賀)戦では14三振を奪った。冬は筋力トレーニングや遠投などに取り組み、直球の球威強化を図ってきた。「ピンチでも直球に頼れるようキレを磨いていきたい」と語る。 九州大会の準決勝、決勝では照屋希空らが登板した。比嘉監督は「完投はしなくていい。一人を抑えるだけでも、それが試合の中で大きいアウトになる。その術(すべ)を身につけてほしい」と語り、2番手以降の投手の台頭を期待する。
2度の優勝に導いた比嘉監督
第71回大会(1999年)で沖縄県勢として初優勝した時のエースだった比嘉公也監督が、第80回大会(2008年)で2度目の優勝に導いた。右腕の照屋は、初優勝時に比嘉監督との二枚看板として活躍した照屋正悟さんの息子だ。父が頂点に立ったセンバツを「目標にしてきた舞台。センバツで相手を抑えられる投手になりたい」と心待ちにする。 明治神宮大会では、準々決勝で仙台育英に九回に4点差を逆転されてサヨナラ負けと悔しさを味わった。雰囲気にのまれて守りのミスが出ると、東恩納も相手の勢いを止められなかった。「二度とあんな負け方はしない」(仲田)と選手たちはキャッチボールで1球も手を抜かないなど、高い意識で練習に臨むようになった。 比嘉監督は「改めて一球の重みを共有し、いかに練習の質を高めていけるかに重きを置いている。一つでも多く勝って喜んでもらえるように、残された時間を取り組んでいく」。九州王者として、3度目のセンバツ制覇に挑む。
OBにソフトバンク・東浜巨投手ら
1957に私立沖縄高として創立。野球部も同年に創部された。83年に現校名に改称。センバツでは99年と2008年に優勝した。夏の最高成績はベスト8。OBに福岡ソフトバンクホークスの東浜巨ら。