旧ソ連のモルドバ大統領選挙、親欧米の現職が勝利確実…ロシアの大規模介入で接戦となったか
東欧の旧ソ連構成国モルドバで3日に行われた大統領選の決選投票で、親欧米の現職大統領マイア・サンドゥ氏(52)の勝利が確実となった。同国の国営通信が4日に報じた。欧州連合(EU)加盟を目指す外交方針が維持される見通しだ。 【表】一目でわかる…ロシアの戦力はウクライナを圧倒している
サンドゥ氏は3日夜の勝利宣言で、「モルドバは勝利した。我々の輝かしい未来には敗者はいない」と強調した。
中央選挙管理委員会が発表した暫定結果によると、開票率約99・5%時点の得票率は、サンドゥ氏が55・25%、親露派政党が支援した元検事総長のアレクサンドル・ストイアノグロ氏(57)が44・75%だった。
ロイター通信などによると、国内の得票率ではストイアノグロ氏が約51・2%で、サンドゥ氏の48・8%を上回った。勝敗を分けたのは、過去最多の約32万票が投じられた在外投票だ。欧米志向の有権者が多く、8割以上がサンドゥ氏に投票したとみられる。
接戦となった背景には、ロシアの選挙介入の影響があったとみられる。サンドゥ氏の安全保障担当顧問は3日、X(旧ツイッター)で「ロシアによる大規模な介入が行われている」と警鐘を鳴らした。同顧問によると、ロシア側が用意した航空機やバスでロシア在住のモルドバ人がトルコやベラルーシの在外投票所に大量に移送された。
モルドバのEU加盟については、今後も反対勢力の妨害が予想される。10月20日に行われた加盟の賛否を問う国民投票では賛成50・35%に対し、反対は49・65%だった。サンドゥ氏にとっては、来年7月までに行われる議会選に向け、国内の分断を解消し、支持を伸ばせるかが課題になる。