AI時代に「もはや必須」のデータ活用、理想的組織の「作り方」をガートナーが解説
理想的なD&A組織の「作り方」
では、上記のアプローチを踏まえた上で、理想的なD&A組織を作り上げていくにはどうすればよいのだろうか。 D&Aの推進に向け必要な役割は多岐にわたる。それらはD&Aに不可欠なものばかりではなく、場合によっては必要なもの、新たに必要になるものも存在する。D&A組織の再確認の最終ゴールは、組織形態を決定した上での、組織として必要な役割の見極めと定義、対応する人材の適切な配置だ。 「出来立てのチームは小さく、1人がいくつものロールを担います。その後、D&Aの高度化に伴い専門ロールが生まれ、増えていきますが、D&Aリーダーはその中での組織の成熟度や人材の成長なども勘案し、過不足なく人材を配置しなくてはなりません」(ギャバード氏) ただ、適切な人材の配置を行うのは、現実的には簡単ではない。理想のD&Aチームの人員数をD&Aリーダーに尋ねたガートナーの調査でも、回答の平均値は40人だが、実際の回答は1人から100人以上までと非常にバラつく結果となっている。 ギャバード氏はD&A組織の規模と成果に直接の因果関係はないとした上で、組織や役割の事前定義が重要になると説く。 「現実問題として40~50億ドルの収益を生むD&Aチームと同規模の別チームが150億ドルの収益を生んでいるケースがあります。D&Aの規模と成果との間に直接的な関係はないと言ってよいでしょう。D&Aチームとしての責務は、今後、増え続ける現場の要望に応え続けることです。そのためには円滑な組織拡張が欠かせず、組織、さらにロールの事前定義を抜きには、それが困難なことをD&Aリーダーは肝に銘じておくべきです」(ギャバード氏)
本記事は2024年5月21日-23日に開催された「ガートナー データ&アナリティクス サミット」の講演内容をもとに再構成したものです。
執筆:フリーライター 岡崎 勝己