創立100周年に熱狂したシント=トロイデン。小さな町のクラブはいかにして変化を遂げたのか、なぜ日本人は愛されるのか【ベルギー発】
鈴木彩艶は言う。「100周年って日本じゃまずない。歴史を感じます」
その後、行なわれたウェステルロー戦は100周年を祝うメモリアルゲームを兼ねた。クリーンシートを達成し、1−0の勝利に貢献したGK 鈴木彩艶は言う。 「100周年って日本じゃまずないですよね。本当に歴史を感じます。まだ自分が来て1年も経ってないですけど、この100周年という記念の舞台に立てたことは良かった。このような小さなクラブにも長い歴史がある、そうつくづく感じました」(鈴木) 美しいロビングシュートで決勝点を決め、100周年に彩りを添えた伊藤涼太郎は記念マッチを振り返る。 「Jリーグは去年30周年だったわけで、STVVの100周年にはヨーロッパサッカーの歴史をすごく感じます。僕自身、STVVが100周年と聞いたとき、すごくビックリしました。人びとが大事にしている試合でゴールを決めると、やっぱり心に残ると思います。だからもっとゴールを決めたいですね」(伊藤) あるサポーターはSTVVを応援することを「ビッグパーティー。スタイエンはビールを飲みながら騒ぐオープンバー!」と言って笑った。楽しみ方は人それぞれ。それでもひとつ言えるのは、STVVのサポーターの多くが、親から子へ、またその下の世代へとそのタスキが受け継がれていること。 フロールが言ったように、今、スタイエンに集まった人たちが200周年を祝うことはない。しかし、今を生きる人びとが間違いなく100年後のサポーターに遺伝子を残すことだろう。 取材・文●中田 徹
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