酒に頼ってコテッと眠るのは睡眠とはいえない…8時間睡眠でも"疲労感"がとれない人が大抵している悪習慣
朝まで連続して眠っているのに、すっきりと疲れがとれないのはどうしてか。漢方家の櫻井大典さんは「体の休養ができても、頭の疲労がリセットされていないのではないか。これも立派な『不眠』のひとつだ」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、櫻井大典『こころゆるませ漢方養生』(扶桑社)の一部を再編集したものです。 ---------- CASE2 「平均的な睡眠時間を取っていると思うのですが、 疲れが回復している気がしません」 日頃から最低6時間は睡眠時間を取っています。 余裕があれば、22時から朝の6時まで、しっかり8時間連続して眠る日もあるのですが、目覚めは決してよくありません。体が重だるく感じ、慢性的な疲労感があります。 どうしたらすっきりと疲れを取ることができるでしょうか? ---------- ■頭が「疲れた」という感覚を記憶しています お話を聞くと、疲労と疲労“感”の違いに原因があると感じます。 疲労というのは、肉体的な疲れのことです。22時から最低6時間、ときには8時間眠れていてしかも途中で目覚めることがない、という状況からシンプルに考えると、体はしっかり休養ができていて、回復されている、と捉えてよいと思います。でも、なぜか疲れているように感じる。これは“疲労感”です。 体に疲れはさほど残っていないのに、頭が「疲れた」という感覚を覚えていて、それが朝まで残っている、ということ。つまり、頭はリセットされていないというわけです。 では、頭の疲労がなぜ起こっているのか、その疲れを取り除くためには何をすべきか、というところに視点を持っていきましょう。中医学の観点から見ると、どうもこの状況は、実際にはあまり深く眠れていないのではないか、ということが考えられます。実はこれもれっきとした「不眠」の一つ。 簡単な目安として、朝起きたときにスッキリと目覚められているなら、多少睡眠時間が短かったとしても、しっかり熟睡できて睡眠時間も取れたという認識でよいです。でも、目覚めがよくないということであれば、いくら睡眠時間が長かったとしても、眠りが浅く熟睡できていなかった、もしくは、睡眠の質が良好ではなかった、と判断します。