どっぷりインディアンでのバイクライフを楽しんでいたある日、突然余命宣告を受けたとしたら…… 余命4日からのリハビリと復活
「乗るために治す」余命4日からのリハビリと復活
子育てが終わり、新たなるかすがいとなったインディアンライフを楽しんでいた伊藤夫妻に訪れた突然の睦美さんへの余命宣告。バイク仲間やリハビリの先生、そして何より奥様の自然なバックアップで治療を続け、引き続きバイクライフを楽しんでらっしゃいます。
──病気が発覚したのっていつなんですか 睦美さん「スーパーチーフの納車まで4か月待ったかな。去年の7月で、インディアン・ライダーズデイがあった10月ごろにわかりました」 由美さん「何せ、そのイベントに行きたくて我慢してたらしいんです。ご飯が食べれなくなってたのを、のちに聞いて」 睦美さん「だるさがあったんですね。喉もちょっと違和感があって。下っ腹が出てきて、なんか妊婦さんみたいな感じ。で、病院行ったら血液のがんって言われて。最初、町医者に行って、小田原市の病院ですぐ大きい病院を紹介されて、東海大学病院か横浜のがんセンターかどっちかに行ってくださいって。「じゃあガンじゃん!」って、病名聞く前にわかっちゃった。病院に行ったときには即入院ってなりました。帰ったら死んじゃうよって。脾臓が腫れてて、いつ破裂してもおかしくない。余命4日ですって」
とはいえ、睦美さんはバイクへの情熱は冷めませんでした。 睦美さん「新しいバイクを買ってまだ3~4ヶ月だったんで、俺まだこのバイクに乗ってないよ! って。余命何日って言われて、俺、絶対復活してやる、復活するぞっていう思いで。入院中は体力を付けるために、点滴を持って廊下を行ったり来たり行ったり来たりしました。13日間入院してから抗癌剤治療をして、5月に完全寛解になりました。 家に戻ってきてからも、体力を戻したくて必死こいてオートバイを押したり引いたり。腹筋したり運動を軽くしたり、ウォーキングしたりして。自分の体力が落ちてるなって分かってたんで、まずはバイクを引き起こせるかどうかってのがあった。で、意外と乗れたんですね。やっぱインディアンは重心が低いから、あ、これいけるなって」 由美さん「寛解する前にインディアンの仲間が久々にツーリングに行こうかって誘ってくれて。富士山の方に行って。一周までは行かないけど、これならいけるねーって。三浦半島一周したり」 睦美さん「半年ぐらい乗らなかったけど、乗ってみたら逆に俺うまくなったんじゃ? って思いました。今までは慣れとか癖みたいなのがあったのかも。基本に戻ったんだって思いました。正直、バイクがなかったらここまで元気になってなかったんじゃないかな。ほんとバイクに乗りたさ一心だけだったんで」