防災の日、備え見直す契機に 台風10号で訓練中止相次ぐ
1923年の関東大震災の発生日に合わせた1日の「防災の日」を迎えた。今年は大きな被害が出た能登半島地震があり、8月に初の南海トラフ地震臨時情報が出るなど備えの重要性が改めて浮き彫りとなった。例年実施される政府や自治体の防災訓練は、台風10号の影響で相次ぎ中止に。続出する災害を受け政府は対策見直しを急ぎ進めており、自治体関係者からも「訓練はできないが、災害への備えを見直すきっかけにしたい」との声が聞かれた。 元日に発生した能登半島地震では住宅など建物の他、水道や道路、港湾などインフラに被害が出て復旧や復興の妨げとなった。政府は中央防災会議に作業部会を設置、被災自治体への支援や避難所運営の在り方を議論し、防災対策の見直しに向けた検討を加速させる。 8月8日には南海トラフの西端に位置する日向灘でマグニチュード(M)7.1の地震があり、宮崎県で震度6弱を観測した。気象庁は「巨大地震注意」の臨時情報を初めて発表。政府は防災対応の再確認を求める注意の呼びかけを15日まで続けた。