デ杯イタリア代表のベレッティーニ、後輩シナーの活躍に刺激を受け「彼と同じように努力し、目標を探し続けたい」<SMASH>
近年はイタリア人選手の躍進が著しい男子テニス界。中でも23歳のヤニック・シナー(イタリア)は先日の「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)で四大大会2勝目を挙げ、現在は世界ランキングでも1位に君臨している。そのシナーを「誰よりも強くなると確信していた」のが、今年3月に度重なるケガからのカムバックを遂げた同胞の先輩、マテオ・ベレッティーニ(イタリア/元6位/現43位)だ。 【連続写真】高く弾むM・ベレッティーニのスピンサービス『30コマの超分解写真』 現在開催中の男子国別対抗戦「デビスカップ・ファイナルズ・グループステージ」(9月10日~15日/イタリア・ボローニャ/インドアハード)にイタリア代表として参加しているベレッティーニは、初戦に先駆けて応じた会見で、シナーと対戦した今年7月のウインブルドン2回戦(ベレッティーニが6-7(3)、6-7(4)、6-2、6-7(4)で敗戦)を回顧。同郷の若き王者を称賛しつつ、シナーのようなトップ選手とプレーできたことで自分のレベルを確認できたと振り返った。 「あの試合は本当に多くの理由で特別だった。すでに僕のレベルが高いことを証明してくれたし、その後の結果もそれを物語っていた。あの試合で自分が再び以前のレベルに戻れたと感じたよ。(自分のレベルに関しては)困難だった数カ月の間、ずっと自分に問いかけていたことだった。 その試合の後に2つの大会(グシュタードとキッツビュール)で優勝できたのも偶然ではなかったし、大きな弾みになった。ヤニック(シナー)があれほど高いレベルにいるのは驚きだが、僕にとってはそれほどではない。というのもヤニックのような特性を持つ強い選手と対戦すると、その選手が必ずトップに立つのがわかるからだ。たとえ人々がそうはならないと言っても、僕自身は彼が最強になるだろうと確信していた」 とはいえイタリア男子テニス界の先駆者がベレッティーニなのは言うまでもない。それでも復帰からまだ半年のベレッティーニは、謙虚に23歳にして数々の輝かしい功績を積み重ねている後輩から学びたいことがたくさんあると意欲を見せる。 「ヤニックから盗みたいものはたくさんある。1 つは、何よりも競技への献身ぶり、常にレベルの向上を望む姿勢だ。彼は非常に若い年齢でエリートのレベルに到達したが、それからも決して満足することはなかった。彼の話を聞くと、常に未来を見据えているのがわかる。それは偉大な選手が持つ資質でもあると思う。 そういうアプローチは生来的なもので、少しずつ努力することでできるわけだから、僕も彼と同じように努力し、目標を探し続け、重要な刺激を感じられるようにしていきたい。僕たちはランキングや大会のことについてだけ話すのではなく、自分自身を向上させる喜びについても話しているんだ」 まだまだ復活途上のベレッティーニ。今後もシナーの活躍をモチベーションに、元気なプレーで男子ツアーを盛り上げてほしいものだ。 文●中村光佑