薄くて軽い「ザ・ノース・フェイス」のソフトシェル。主に夏場によく着る（撮影：兎山　花）

　登山向けのジャケットには、アウターシェルやフリース、ダウンジャケット、レインウェアなどさまざまな種類がある。その中でも「アウターシェル」とはどのようなものか?　「レインウェア」との違いは何か? と疑問に思っている人もいるのではないだろうか。 ■【画像】シェルのソフトとハードって? レインウェアとの比較とは…ザックリとでもまずは押さえたい「違い」はこんなところ（写真をすべて見る） 　「シェル」とは直訳すると 「殻」のことで、雨や風、雪などから身を守る防水透湿性の高いアウタージャケットのことを指す。 　この記事ではソフトシェル、ハードシェル、レインウェアの違いと、はじめに買うべき1着について紹介する。　　　

■ソフトシェルとは

　「ソフトシェル」とは、適度な　撥水性、通気性、防風性などを備えたアウタージャケット。ストレッチ性があり動きやすい素材のものが多い。保温性に優れたものや透湿性を重視したものなど、素材の種類やモデルごとの特徴がさまざまだ。　 　撥水性のあるものは、小雨程度ならレインウェアの代わりにもなるし、ミドルレイヤー（肌の上に直接着るベースレイヤーの上に着るもの）として着られるものもある。またコンパクトに収納できるものが多く、肌寒い時には羽織るだけで暖かいので、登山だけでなく旅行にも便利だ。 　夏は薄手のもの、春秋は厚手のものと、筆者は季節に応じてソフトシェルを使い分けている。登山中、出番の多いジャケットなので、経験を重ねながら自分や登る山に合うものを選んでいこう。

■ハードシェルとは

　「ハードシェル」とは防水性、耐久性、防風性に優れたアウタージャケット。着心地よりも機能性を重視し、ソフトシェルより生地が厚く着用感は硬めだ。 　脇にベンチレーション（通気口）があるタイプは、登山中、体内にこもった熱を外に出し、衣服内の湿気を外へ逃がせる。 　裏地がついた二重構造以上のものが多く、主に雪山など冬の登山で着用する。筆者もハードシェルは雪山で着用することが多い。

■レインウェア

　登山では雨の侵入を防ぎ、内部にこもった湿気を放出する防水透湿性に優れたレインウェアがおすすめ。 ハードシェルと異なり生地の表面がツルツルとしていて、雨を弾きやすい。 　季節を問わず、一年を通して着用できるアイテムで、雨の日だけでなく風が強いときや寒いときにも使える。また低山の雪山では、ハードシェルの代わりに着用する人も多い。