客が減るディズニーリゾート…でも売り上げは過去最高。新エリアだけじゃない「強さ」徹底分析
新型コロナウイルスの影響も落ち着いてきた昨今、企業の業績がコロナ前の水準に戻ってきています。 【全画像をみる】客が減るディズニーリゾート…でも売り上げは過去最高。新エリアだけじゃない「強さ」徹底分析 そのような中、快進撃を見せているのが、東京ディズニーランドと東京ディズニーシー(以下、両者を合わせて「東京ディズニーリゾート」)を運営しているオリエンタルランドです。 2024年10月30日に発表されたオリエンタルランドの決算短信によると、2025年3月期の売上高の予想は6848億円(前年対比10.7%増)、営業利益の予想は1700億円(前年対比2.8%増)の予想となっていて、過去最高の水準です。 直近の実績となる2024年3月期においても、オリエンタルランドの売上高は6185億円に達し、営業利益も1654億円と過去最高を記録しました。 これは、コロナ前の2019年3月期と比較しても売上高は18%増加、営業利益は28%増加しており、コロナ前の水準を大きく上回る結果となっています。コロナの影響で一時的に落ち込んだ業績を立て直し、コロナ前のピークを超えるほどの成長を遂げたのは注目に値します。 直近では絶好調のオリエンタルランドですが、10年スパンで業績を見ると、実は2015年から2018年まではずっと売上高は4700億円前後で推移しており、売上高の成長はそこまで見込めていませんでした。その上にコロナの直撃により業績は過去最低水準まで悪化し、2021年3月期には赤字も計上していました。なぜオリエンタルランドはこのように業績を伸ばせているのでしょうか。そして、今後も成長を続けることができるのでしょうか。
どうして売上高が伸びたのか?
なぜオリエンタルランドの売上高はここまで伸びたのでしょうか。 その理由を探るために、売上高と顧客数と客単価に分けて分析をしてみます。まずは来園者数(顧客数)を見てみましょう。過去10年間のオリエンタルランドの来園者数の推移をまとめたものが図表2です。 実は過去最高の売上高と営業利益を達成している2024年3月期の来園者数は2751万人にすぎず、3000万人を安定的に超えていた2014年から2019年よりも来園者数は10%以上も少ないのです。 にも関わらず、売上高が過去最高になっているのは顧客単価が上がり続けているからです。図表3は過去10年分の顧客単価の推移を示したものです。 直近の2024年3月期の客単価は1万6644円と過去最高になっています。2014年と比較すると、客単価は50%以上上昇をしています。 つまり来園者数自体は減ったものの、顧客単価が50%前後上昇していることから、結果的に過去最高の売上高を達成できたと言えます。